9月に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で開催した5日間にわたる有観客&配信ワンマンライブ「HYDE LIVE 2020 Jekyll & Hyde」の成功を経て、全国7都市を舞台に展開される今回のツアー。全会場の動員をキャパシティの半分以下に押さえ、検温や手指消毒、換気を行うなど、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を講じたうえで実施されることがあらかじめアナウンスされていた。
定刻である「6:66(19:06)」を迎えた瞬間、観客は拍手やツアーグッズで販売されているタンバリン、その他の持参した楽器を鳴らしHYDEとバンドメンバーを歓迎する。“アンチワイヤー=コードレス”というコンセプトを掲げたライブということもあり、HYDEは自らドラム缶を模したフロアタムを打ち鳴らしたり、タンバリンを軽やかに叩きながらハンドマイクで熱唱したり、アコースティックギターを抱え情熱的に歌い上げたり、さまざまなスタイルでパフォーマンスを披露。吠えるように激しくシャウトしたかと思えば、柔らかく繊細な歌声を響かせボーカリストとしての力量を遺憾なく発揮し、攻撃的なステージングに定評があったこれまでのソロライブとも、静謐な雰囲気が特徴のアコースティック公演「黒ミサ」とも異なるパフォーマンスでオーディエンスを引き込んでいった。
セットリストは来年ソロデビュー20周年ということにちなみ、ソロ名義による懐かしいナンバーはもちろん、提供楽曲のセルフカバー、11月リリースの「LET IT OUT」や12月25日に配信されたばかりの最新曲「DEFEAT」を含むバラエティに富んだ構成に。歌を最大限に引き立てるような音数を削ぎ落としたナンバーや、オリエンタルな雰囲気を打ち出した意外な曲など、アコースティックライブとは言いながらも多彩なアプローチでオーディエンスを魅せていく。観客は発声禁止や着席など制約がある中でも新鮮な形で届けられる楽曲の数々を全身で楽しみ、タンバリンやクラップでステージ上のHYDEとバンドメンバーの演奏を彩った。
HYDEは「よく来たね」と会場に足を運んだファンを愛おしそうに見つめ、安全にライブを行うために定期的にPCR検査を受けていることを報告。「年の瀬にやっとみんなに会えて感無量と言いますか。みんなの喜んでいる顔を見るためにやっているところがあるから」とファンがいたからこそ長年活動を続けられたことを口にし、「みんなが僕たちの点滴みたいなものですよ」「みんなに会えて本当にうれしい」と微笑んだ。HYDEは何度も感謝の言葉をファンに伝え、「僕らはこの試練を乗り越えられると思っています」とこれまでのような日常が戻ってくるようにと願う。またライブの終盤では感極まって目を潤ませ、袖で目元を拭う場面も。ラストの曲が終わり、バンドメンバーが去ったあともステージを端から端まで移動してファンの目を見ながら別れを告げ、「また会いましょう」とお辞儀をして名残惜しそうに去っていった。
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2021年1月10日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
2021年1月16日(土)大阪府 大阪城ホール
2021年1月17日(日)大阪府 大阪城ホール
2021年1月24日(日)宮城県 トークネットホール仙台
2021年1月30日(土)東京都 東京国際フォーラム ホールA
2021年1月31日(日)東京都 東京国際フォーラム ホールA
2021年2月7日(日)福岡県 福岡市民会館 大ホール
2021年2月13日(土)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
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