坂本龍一の“最後の3年半”から観客が感じたさまざまな思い、「Ryuichi Sakamoto: Diaries」試写会感想まとめ[PR]

6

93

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 15 56
  • 22 シェア

坂本龍一の最後の3年半をたどるドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto: Diaries」が11月28日より全国で公開される。これに先駆け、去る11月12日に本作のトークショー付き試写会を実施。監督の大森健生と坂本と交流のあったアーティストのコムアイが登壇し、映画ナタリーの読者も参加した。この記事では、ひと足先に本編を鑑賞した参加者による感想の一部を抜粋して紹介する。

「Ryuichi Sakamoto: Diaries」ポスタービジュアル

「Ryuichi Sakamoto: Diaries」ポスタービジュアル [拡大]

自分の「一生」に残る映画。今年1番くらった作品

世界的音楽家・坂本龍一が命の終わりとどう向き合い、何を残そうとしたのかに迫った本作。坂本が目にしたもの、耳にした音を多様な形式で記録し続けた「日記」を軸に、遺族の全面協力のもと提供された貴重なプライベート映像やポートレートを1つに束ね、その軌跡をたどっている。Yellow Magic Orchestra(YMO)などでともに活動した盟友・高橋幸宏との知られざる交流や、最後の作品となった未発表曲の制作過程など、「理想の音」を最後まで生み出そうと情熱を貫いた坂本の姿がスクリーンに刻まれた。

試写会には坂本とともに人生を歩んできた長年のファンはもちろん、坂本の死去後にその音楽に魅了された人など、さまざまな観客が参加。特別な映画体験だったという意見が多数届いた。「自分の一生に残る映画」「“最期にみたい映画”──もしかしたら、私にとって、そんな映画を観てしまったのかもしれません」「折に触れて見返したい、思い出したい作品だと思った」「言葉を選ばず言うと、今年1番くらった作品」といった感想や、「死と向き合う映画なので号泣しましたが、重さより軽やかさを感じながら帰路につきました。音楽とともにさまざまなことを受け取ったと思います」「『ひとりの人間の生き様』にこれほどクローズアップした作品は観たことない」「教授のまっすぐな生き様をとおして自分の人生を見つめ直す映画でした」という声が上がっている。

映画「Ryuichi Sakamoto: Diaries」場面写真

映画「Ryuichi Sakamoto: Diaries」場面写真 [拡大]

観終わった後に劇中の曲が頭の中でリフレインする

「Ryuichi Sakamoto: Diaries」は、2024年にNHKで放送され反響を呼んだ「Last Days 坂本龍一 最期の日々」をベースに、未完成の音楽や映像など映画オリジナルとなる新たな要素を加えて制作された作品。「音楽が残るような作りにしたかった」と語る大森は、本作を映画館ならではの音響と空間で鑑賞すべき作品に仕上げた。

観客からは「ナレーションによる説明や、音楽による感動の誘導を廃して、言葉と音(音像、響き)とポートレート・映像だけで構成されていることにとても惹きつけられました」「この深く静かな響きは、単なる記録ではなく、劇場という暗く静かな環境でこそ最も純粋に、そして美しく感じ取ることができる」「見終わった後に劇中の曲が頭の中でリフレインする独特な雰囲気が心地よい映画でした。それが悲劇ぶらず、ユーモアもあって制作活動にどこまでも貪欲な坂本龍一さんの人となりをとてもよく現しているように思えました」「制作側が『映画館ならではの音響と空間でこそ鑑賞すべき』と強調する通り、環境音のテクスチャが、ただのBGMではなく、非常に立体的で、日記の『言葉』と同じくらい重要な要素として機能していました」という感想が届いた。

坂本龍一のドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto: Diaries」場面写真

坂本龍一のドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto: Diaries」場面写真 [拡大]

坂本の日記すべてを日にちも言えるほど何度も読み込んだという監督の大森。生前の坂本に会う機会がなかった彼は「いろんな方の協力を得て、後ろ姿から、少し顔を見ようとこの2年半努力しました。1人の人を知ることの難しさと尊さを受け取りました」と語っている。

試写会後には「監督が生前の坂本さんにお会いしていないことが、この作品に大切な客観的視点を与えているような気がしました。そのおかげで扱う題材が気軽なものではないのに過度な湿り気や重さを感じさせないのがよく、それがまた逆にずっと坂本さんを追い続けていた我々の世代には、もうここにいない存在として受け入れざるを得ないこと、そしてお前はどう生きる?と問いかけられているように感じられました」「没後に坂本龍一という人間に興味を持った私と感覚が近い、“坂本龍一という人間を紐解いてみたい”という監督の意思が感じられる映像でした」という感想も見受けられた。

世界中の人に観てもらいたい作品

世界中の多くの人々に、今なお影響を与え続けている坂本。そんな彼への思いが込もった言葉も多数寄せられた。「死してなお教授の魂は世界中にちりばめられていたんだなと感じた」「教授にとって音楽が最後までそばにあって本当によかった」「音楽に生き、尽くした人なんだなと…帰宅して落ち着いた今 心がじんわりしています」「坂本龍一と同じ時代に生きられた奇跡は私にとっても『いい人生』と言えるでしょう」「映画について反芻しながら生活する中で、教授がおどける姿や笑い顔、日々の過ごし方が思い起こされました。この世界にたしかに美しい生が存在したという事実に、静かな感動を覚えます。作られなければならなかった映画だと思いますし、作り手が可能な限り生と死を消費しないあり方を模索した結果、このようなかたちになったのだと思います」「死が迫る中、最期の瞬間まで音楽とともにありたい、音楽を奏でていたいという想いが伝わってくる終盤は感情が溢れてきて涙腺は崩壊」「教授のファンはもちろん、一人の人間の壮絶な人生を描いた映画として、世界中の人に観てもらいたい作品です」といった声も届いた。

「Ryuichi Sakamoto: Diaries」は、11月28日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。

映画「Ryuichi Sakamoto: Diaries」本予告

映画作品情報

この記事の画像・動画(全9件)

© “Ryuichi Sakamoto: Diaries” Film Partners

読者の反応

  • 6

音楽ナタリー @natalie_mu

◢◤「Ryuichi Sakamoto: Diaries」◢◤

坂本龍一の“最後の3年半”から
観客が感じたさまざまな思い

▼試写会感想まとめ
https://t.co/OxbZwPXfQh

・自分の一生に残る映画
・劇中の曲が頭の中でリフレインする
・世界中の人に観てもらいたい作品

#坂本龍一 #PR https://t.co/oDR6ItK6LI

コメントを読む(6件)

リンク

関連商品

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの映画ナタリー編集部が作成・配信しています。 Ryuichi Sakamoto: Diaries / 坂本龍一 / 高妍 / 大森健生 の最新情報はリンク先をご覧ください。

映画ナタリーでは映画やドラマに関する最新ニュースを毎日配信!舞台挨拶レポートや動員ランキング、特集上映、海外の話題など幅広い情報をお届けします。