映画「
給食マニアの中学教師・甘利田幸男と生徒が、どちらが給食をおいしく食べられるかという“うまそげ”対決を繰り広げる「おいしい給食」シリーズ。劇場版4作目となる本作では、甘利田と彼のライバル・粒来ケンら中学3年生が、青森と岩手に2泊3日の修学旅行へ向かうさまが描かれる。甘利田役で市原、粒来役で田澤が出演。ドラマのシーズン1で甘利田の同僚だった御園ひとみを武田が演じた。
イベントが始まると、まず台本を片手に姿を見せた市原が、甘利田として“本読み”の形での寸劇を開始。「私は給食が好きだ。給食を食べに学校に来ていると言っても過言ではない……」といつもの口上を切り出すと、会場はザワザワとした空気に。「今日のメニューはメロンパン! 日本が生んだ“キングオブ菓子パン”メロンパン!」「本日の初手はか・ぶ・り・つ・き! 甘い~。そしてこの食感。ザク! カリっ!ときてからふわ~。『パンがなければお菓子を食べればいいじゃない』って言ったとされるマリー・アントワネットに伝えたい。『私はお菓子的なパンを食べている』」と食事シーンの臨場感を生の声で表現する。せんべい汁を食べるシーンでは「熱っ! 耐えろ幸男! 熱さにダメージを受ける子供とは違うのだ!」と繰り出したほか、「うまそげすぎるだろ~!」と敗北を認める一連のシーンを最後まで演じ切り、観客からは惜しみない拍手が送られた。
続いて、そのほかの登壇者もステージに。市原は観客を前に「この日を本当に楽しみにしていました。今日をどんな気持ちで迎えたらいいかずっとわからなかった」と吐露。「6年前に小さなドラマから始まり、ここまで来れたのは皆様のおかげ。ありがとうございます」と感謝を述べると、客席からは「こちらこそありがとう!」と声が上がる。全国キャラバンとして80回もの舞台挨拶を行ったことが伝えられると、「呼んでいただければ、どこまでも伺います。これは作り手である我々の夢なんです。この作品はお客様だけのものでありたい。滑稽でも負けを潔く認められる甘利田の姿を見て、皆様の活力にしていただきたいんです」と丁寧かつ真摯に話した。
「御園先生おかえりなさい!」とMCから声を掛けられた武田は「甘利田先生がパワーアップしすぎていて驚きました。間近で久々にエネルギーをもらうことができました」とニッコリ。市原はそんな彼女を見やり「まさか1のヒロインが帰ってきてくれるとは! シリーズを続けることの醍醐味ですね。原作のない作品ですから、シリーズ開始当初は監督と『眼鏡はいるかな?』など話し合い、キャラクターを1から作っていった。玲奈ちゃんの姿を見て、そんな当時を懐かしむことができました」と語った。
田澤は「撮影前に、監督から『撮影期間の1カ月を意味のあるものにしてほしい』と伝えられていたんです。粒来が甘利田先生に思いを伝えるシーンは難しかったけれど、キャスト・スタッフの皆さんの力を借りて演じることができました」と述懐。体育教師・木戸四郎役の栄信も「せんべい汁を食べるシーンでは、初めて木戸が食事している甘利田先生の隣にいる。『おいしい給食』の根幹に触れることができてよかったです」と続け、「隼人くんが朝イチから演技の練習をしていたんです。『ああ、この人だから甘利田幸男なんだ』と、俳優としての姿勢に心底感銘を受けました」と称賛を送った。
給食のおばさん・牧野文枝役のいとうは「私は残念ながら修学旅行には行けなかったのですが……本編を観て観客の皆さんと同じ気持ちを味わわせていただきました」と笑顔を見せ、「『自信っていうのは自分を信じること』というセリフにグッときて。台本を読んで泣いちゃったんです」と回想。PTA幹部・白根澤仁役の六平は「市原さんをはじめ、みんな芝居がうまいんですよ! 今、日本で一番すごい役者が集まったのでは?」とアピールして会場を沸かせる。校長・坂爪勲役の小堺は「寒い時期に撮ったんですが、僕は『寒い』と思ったことはない。なぜなら座長が熱すぎる男だから。『窓を開けてくれ』と言ったくらいですよ」と切り出し、「甘利田先生を見ていると、ただの字だった台本のセリフが、どんどん感情になっていく。人生の先生に会ったような気持ちになりました」と褒めたたえ、市原を照れさせた。
そして綾部は「若い頃に東北に旅をした経験があったので、その地でロードムービーを撮ることは夢でした。『おいしい給食』のメンバーと行けることが本当にうれしかったし、のちに旅行を懐かしめるような、楽しい旅の映画にしたかった」と本作に込めた思いを明かす。「次回作は?」と聞かれると、「我々は1歩ずつ全力投球してきたのでまだ大きなことは言えないですが、もし『炎の修学旅行』が公開されて、皆様からの声があれば……。次は南のほうですかね?」と答え、観客から「決まりでしょー!」「待ってまーす!」という声が。市原から「給食を食べるシーンでは集中しすぎて意識が飛ぶんです。けがだらけなんですが、続編作れますか?(笑)」と目線を送られると、綾部は「じゃあ鍛える頻度を上げてください!」と笑顔で応じていた。
最後に市原は「本作には日本人のわびさびがたくさん入っています。愛が込められているんです」とアピール。劇中の「御園先生はこんなものですか?」というセリフに言及し、「とても好きな言葉です。いつまでも『こんなものか?』と自分に問い続け、『いや、こんなものじゃねえ! 笑わせんな!』と思う気持ちを大事にしたい。この作品を観ることで、皆さん自身が内に秘めた魅力と出会ってくれたらうれしいです」と言葉を紡ぎ、イベントの幕を引いた。
「おいしい給食 炎の修学旅行」は、10月24日より全国で公開される。
映画ナタリー @eiga_natalie
【イベントレポート】市原隼人「おいしい給食」舞台挨拶で寸劇披露!武田玲奈は甘利田の“パワーアップ”告白
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田澤泰粋、栄信、いとうまい子、六平直政、小堺一機、監督の綾部真弥も登壇🍴
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