「おいしい給食」シリーズ開始5周年を記念した初のファンミーティング「全校集会」が、7月21日に東京・きゅりあん 大ホールで開催。主演の甘利田幸男役・
「おいしい給食」は、給食マニアの中学校教師・甘利田と生徒が“どちらが給食をおいしく食べるか”を対決するさまを描いた学園グルメコメディ。この日、満席となった会場には約1000人のシリーズファンが詰めかけ、中には「おいしい給食 Road to イカメシ」の劇中劇に登場するホワイトマンのコスプレをした人も。開演5分前には甘利田の声でアナウンスが流れ、観客から笑い声も上がった。
甘利田が観客席を駆け巡る!汗びっしょりの30分ライブアクト
公演がスタートすると、まずステージ中央には甘利田が登場し、この日限りのライブアクト「おいしい給食 ロスト・オブ・アゲパン」がスタートする。同作で描かれるのは、シリーズ最新作となる映画「
中盤には「奴(粒来)に勝つには?」と頭を抱える甘利田が、突然雷に打たれたように倒れ込み「ひらめいたー!」と叫んだと思いきや、客席に飛び降り通路を縦横無尽に走り回るファンサービスも。彼は「暑い暑い!」と疲労感をのぞかせるも「底知れぬ期待感のまなざしを感じる……私を推す精霊たちの力がみなぎっているぞ! この歌を歌おう!」と呼びかけ、忍川(おしかわ)中学校の校歌を全員で歌う流れに。甘利田のどこに力が残っていたのか、彼はひたすらステージで踊り狂いながら「まだまだ足りない! 叫べ~!」と観客を煽っていく。
給食を食べる一幕では、甘利田が麻婆豆腐のうんちくを述べたあと「今日はなかなかの赤さだ……」などと所感を口にし、ドラマや映画と同じ熱量でリズミカルに食べ進めていく。彼が牛乳のふたをかっこよく開ける姿には歓声が上がり、転がったみかんをほふく前進で取りに行く様子には躍動感が。客席前方に転がしたと思えば、「もう1個だ!」と追加のみかんを後方にも投げ入れていく。しかしその陽気な瞬間から一転、粒来がコッペパンにミルメークでアレンジした“創作揚げパン”を食べ出すと、甘利田は驚愕のあまり粒来の机へダイブ。彼に頬ずりするほどに迫ったのち、「俺は目の前の問題から目を逸らしていた……」と敗北感をあらわにした。
終盤には、甘利田が修学旅行の旅のしおりを持ってきた坂爪から「すっごい汗ですね!」とハンカチを差し出される一幕も。そして「修学旅行、楽しみですね!」と声を弾ませる粒来との仲直りシーンで大団円を迎え、約30分のアクトを繰り広げたキャストに観客から大きな拍手が贈られた。
市原隼人「皆様のためならなんでもできます」
続けて市原、田澤、小堺のほか、給食のおばさん・牧野文枝役の
小堺は市原を「『“100”を届けるには“120”でやらないといけない』と。本番になると汗の量が増えていましたし、本当に“一生懸命”が人間になったような方」とたたえ、舞台には出演しなかったいとうも「稽古のVTRを見ていたので、心では参加していました。今日生で観てすごい迫力でした」と続く。「なぜ舞台を作ろうと?」と聞かれると、綾部は「いつもはドラマシリーズが放送されたあとに映画が公開されるのですが、『炎の修学旅行』は映画単独なんです。だからその周知も兼ねつつ、ここまで来れた感謝の気持ちを込めて舞台版を作るというアイデアが出ました」と説明した。
「炎の修学旅行」は楽しいに決まっているじゃないか!
10月24日に封切られる「炎の修学旅行」の話に移ると、市原は「そもそもシーズン3で函館に行けたのが奇跡だったのですが、さらに修学旅行でバスに乗って、泊まって、青森・岩手に行くんですよね、学校外のものを食べちゃうんですよね。楽しいに決まっているじゃないですか!」と興奮した様子を見せる。続けて映画に出演している2名から届いたビデオメッセージの上映に。シーズン1以来の参加となる御園ひとみ役の
続けて甘利田のライバルであった神野ゴウ役・
甘利田は手探りの中で生まれたキャラクター
「名作ダイジェスト 甘利田先生と綾部監督と一緒に観よう!」では、視聴者からリクエストされたシーンがスクリーンに。シーズン3の1話「チリコンカンと北の友達」の場面が映ると、綾部からは「粒来がストーブを使うんですが、スタッフからは『さすがに反則では?』と(笑)。どうしたら“給食原理主義”の甘利田と、ズルに見えない粒来の構図を作り込むかに悩んだんです」と裏話が飛び出す。シーズン2の7話「赤飯はめでたいときに」の1コマが映し出されると、「これは田口(桂)監督が担当した話ですね。僕と田口さんはけっこう演出の色が違うので、ぜひ注目してもらえたら。めちゃくちゃマニアックですが(笑)」と解説した。
さらにシーズン1の2話「魔法の粉 ミルメーク」が紹介されると、シリーズ開始当初を思い返す市原は「撮影前日に監督と甘利田の演技について『もう少し自然なほうがいい?』など相談したことを覚えています」と話し、綾部から「甘利田が眼鏡をする・しないも前日の電話で決めましたね。手探りの中で生まれたキャラクター」と補足が入る。「Road to イカメシ」でのイカメシを食べるシーンの上映時には、市原が「キャッチするシーンは何度もトライしました。大人チームだけ遅くまで残って、粒来は余った給食をもらってずっと食べ続けていた(笑)」と懐かしみ、「『おいしい給食』チームは衣装・美術など部署の分け隔てがなく、みんなで意見を出し合う家族のようなチームでした。プリンを落とす話(シーズン3・第5話「プリンは、落下せしもの」)のときも、“どう取ればいいか”を夜中まで話し合う。素敵でしたね」と笑みを浮かべる姿も見られた。
プレゼント大会で○×クイズ対決、優勝者には市原自ら甘利田の銅像を贈呈
後半には観客からの質問コーナーを展開。佐藤が「涙を流すシーンが多い印象ですが、一番泣けたのは?」と問われると、彼は「やっぱり『劇場版 おいしい給食 Final Battle』の渡り廊下のシーンには思い入れがあります。撮り終わったあとも泣いていて『プロデューサーから怒られたの?』って聞かれたり(笑)」と思いを馳せ、「あと、市原さんが大事なシーンのときに壁を殴るのをまねしてしまいました」と付け加えると、市原からは「芸術は爆発ですから」と一言。「甘利田のリアクションが年々大きくなっている気がします。注目してほしい部分は?」と質問された綾部は、「グッと力をいれたときの腕の血管ですね。寄りのショットを撮ったくらい、キャラをよく表しているんです」と回答し、市原から「僕はもっと(甘利田が)笑ったほうがいいんじゃないかと思いますけどね(笑)」と声を掛けられていた。
その後は、観客を起立させたプレゼントゲーム大会が開催される。これは超マニアックな○×クイズを観客全員が答えるもので、正解し続けた優勝者には非売品の“甘利田像”が贈られる。賞品の豪華さに観客は息を呑むも、「『Road to イカメシ』で粒来がカバンにつけているキーホルダーはしいたけである(正解は×)」「神野ゴウの2025年時の年齢は53歳である(正解は○)」など、そのハイレベルさに観客は次々と脱落する。そして最後の問題は「甘利田が普段付けているのはスタッフの私物である」。正解は○で、時計は助監督の祖父のもの、眼鏡はメイキング担当のものであり、甘利田の身には“スタッフの愛”が付いていると明かされた。なお優勝したのは夫婦で来場していた観客で、“甘利田像”は新居に飾るのだとか。市原は彼らのもとに駆け寄り、直接賞品を手渡した。
何度でも言わせてください、夢を見させてくれてありがとう
エンディングコーナーにはシリーズの主題歌を担当する給食ボーイズがサプライズ登場し、「君の花」を生歌唱。「大丈夫どんなときも 悲しみに打ちひしがれても 君の涙はやがて花となり 美しく咲き誇るよ」という歌詞に思いを込める5人の歌声に、観客はじっくりと聴き入る。最後に市原は「シリーズがこんなに続くとは思ってなかった。ここに立てているのはお客様の気持ちの賜物です。何度でも言わせてください、夢を見させてくれてありがとう」と挨拶し、目に涙を浮かべつつ「こんな1日は前代未聞です。たとえ滑稽な姿を見せても“好きなものを好きだという気持ち”を大事にしてほしいですし、甘利田先生を見て人生の活力にしてください。これから役者を続ける理由に迷ったとき、この愛情のある作品を応援してくださる皆さんを支えにしていきます」と丁寧に言葉を紡ぐ。一同は観客から鳴り止まぬ拍手を浴び、市原は最後まで深々と頭を下げ続けていた。
シリーズ5周年記念「おいしい給食」ファンミーティング「全校集会」~ライブアクト「おいしい給食 ロスト・オブ・アゲパン」上演付き~
2025年7月21日(月・祝)東京都 きゅりあん 大ホール
<出演者>
<内容>
・ライブアクト「おいしい給食 ロスト・オブ・アゲパン」上演
・キャストトークイベント&質問大会
・名作ダイジェスト 甘利田先生と綾部監督と一緒に観よう!
・プレゼントゲーム大会
すけきよ @sukkekiyotan
かっこいい市原隼人のおふざけ全開、楽しそうで、でもやっぱり渋くてカッコいいのがたまらない
現地で見れた人羨ましい〜!!! https://t.co/B8qq4Kd18e