映画「
本作はスローライフを求めて都会から田舎に移住した夫婦の杏奈と輝道が、とある秘密を抱えた村人たちに翻弄されながら、村社会の闇に隠された“掟”に触れていく物語。深川がイラストレーターの杏奈、若葉が脱サラした輝道を演じ、田口が自治会長・田久保に扮した。
劇中には「ありがっさま!」などユニークなセリフも飛び出す本作。愛知県の三河地方をベースにしながらも、オリジナルの村として舞台設定を構築し、方言指導のスタッフと相談しながら脚本を作り上げたという。深川は「静岡県出身で『だに』など語尾が近い部分もあり、親近感を感じました」と回想した。
印象的なシーンを聞かれた深川は、杏奈が出産する場面を挙げ「守るものができたという心境を大切にしたかったです。抱っこするシーンでは、母親としてのしぐさを身に付けるために練習を重ねました」と明かす。若葉は「杏奈と輝道のほうが加害者なのではないかと。無自覚の人が持つ怖さを感じましたね」と言及。城定組の撮影については「とにかくスピードが速いんです。毎日3時間くらいは巻いてたんじゃないかな。4シーン撮影しなければいけない日も、45分とかで撮り終わってたんですよ」と打ち明けた。
劇中で“怪演”を見せている田口は「脚本を読んだときに『カロリーが高くてアクセル全開な芝居ができるぞ』と思って。やりすぎたら監督が止めてくれるだろうと(笑)」とほほえむ。そして「田久保は一元的に悪い人というわけではなくて、村のためを思って夫婦を追い込んでいく。そのあんばいというか、芝居の侘び寂びが演じていて楽しかった」と振り返ると、城定も「村人もかわいそうで、人間臭いんです。だから輝道たちだけがいい人だとは描きたくなくて。ジャンル映画のお約束にはならず、人間ドラマを丁寧に描きたかった」と説明した。
演じた役どころにトークが移ると、深川は「杏奈は最初から冷静に物事を見ていて、それが言動にもつながるタイプ。パーソナルスペースに入られたときに警戒しちゃう部分は自分と似ているのかも」とコメント。若葉は「輝道は大っ嫌いなタイプの人間(笑)」と言い放ち、「問題を見て見ぬふりして、ヘラヘラしているんです。周囲の人間と杏奈に対しての態度も違う」と訴える。そして「もしあの村に行ったら?」という質問には、「まず、行かないです(笑)。『ここはヤバいからやめよう、引っ越そう』って言います」とキッパリ。一方で田口は「(僕は)仲良くやりますよ」と答え「郷に入っては郷に従え。俳優業でも、いろいろな現場に行って足並みを合わせることが求められますから」と述べ、若葉を唸らせていた。
中盤には「自分が作った村に掟を作るとしたら?」という質問も。一同が考え込む中、最初に振られた城定は「人に嫌がることをしない!」と回答する。「僕もほぼ一緒で……」と苦し紛れに話す若葉は「“暗黙の了解”みたいな同調圧力のない世界がいいですよね」とも口にする。深川が「仕事は早くて10時以降にしたい。朝ゆっくりして準備できる時間があればいいなと」と発言すると、田口は「深川さんと同意見。11時からでもいいです!」と続いて会場を和ませた。
「嗤う蟲」は全国で公開中。脚本を「ミスミソウ」「毒娘」の内藤瑛亮と城定が執筆した。
映画「嗤う蟲」予告編
深川麻衣の映画作品
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【イベントレポート】深川麻衣「嗤う蟲」の方言に親近感、若葉竜也は演じたキャラに「大っ嫌いなタイプ(笑)」 https://t.co/n2ETSD1mct