東京学生映画祭が閉幕、実写長編グランプリは接触恐怖症の青年描く「オキシトシン」

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第35回東京学生映画祭が8月16日から8月18日にかけて東京・ユーロライブで開催され、受賞結果が発表された。

「オキシトシン」場面写真

「オキシトシン」場面写真

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「第35回東京学生映画祭」授賞式の様子。

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「東学祭」の名で知られる東京学生映画祭は、学生だけで企画・運営のすべてを行う国内最大規模の学生映画祭。学生の制作した映像作品を全国から募集し、コンペティション形式でグランプリを決定する。昨年に続いて「実写長編」「実写短編」「アニメーション」の3部門で審査。実写部門では三島有紀子今泉力哉、アニメーション部門では山田遼志と岡田詩歌が審査員を務めた。なお実写部門の審査員を務める予定だった原一男は台風の影響により不参加となった。

「オキシトシン」監督・前田航希の受賞の様子。

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実写長編部門のグランプリは、前田航希の監督作「オキシトシン」に決定。立教大学在学中に映画美学校で映画制作を学んだ前田は、現在は東京藝術大学大学院の映像研究科監督領域に在籍し、諏訪敦彦と塩田明彦に師事している。「オキシトシン」は他人の体に触れない“接触恐怖症”を患う青年を主人公とした物語。「他者や世界に対して心を閉ざしていた人間が、心を開くまでの、とても単純な映画を作りたい」という思いから制作にいたったという。

「I AM NOT INVISIBLE」場面写真

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実写短編部門では、武蔵野美術大学・川島佑喜の監督作「I AM NOT INVISIBLE」がグランプリに選ばれた。映像学科に入学した川島は、幼い頃から大好きな映画についてを学ぶうち、大島新の講義をきっかけにドキュメンタリーを志すように。「I AM NOT INVISIBLE」では、フィリピンの小さなスラムを訪れた“私”が、フィリピン人の祖母との対話を経て、現実との向き合い方や誠実なドキュメンタリーのあり方を模索して苦悩するさまを記録した。

「芋虫」タイトルカット

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アニメーション部門グランプリは、藤田みのり監督作「芋虫」が受賞した。アニメーションに魅せられ京都精華大学へ入学し、ドイツ留学を経て「芋虫」を完成させた前田。制作のきっかけについて「江戸川乱歩氏の芋虫は圧倒的だった。数ある彼の作品の中でも抜きん出て異質である。私はそれにあてられて、とりつかれ、作り始めてしまった」とコメントしている。

そのほかの受賞結果は以下の通り。

第35回東京学生映画祭 受賞結果

実写長編部門 グランプリ

「オキシトシン」前田航希(立教大学)

実写短編部門 グランプリ

「I AM NOT INVISIBLE」川嶋佑喜(武蔵野美術大学)

アニメーション部門 グランプリ

「芋虫」藤田みのり(京都精華大学)

審査員特別賞(実写長編)

「パパママ卒業」菅原塁翔(埼玉大学)

審査員特別賞(実写短編)

「翔のいた夏」眞島淳之介(東京都立総合芸術高等学校)

審査員特別賞(アニメーション)

「私は、私と、私が、私を、」伊藤里菜(東京造形大学)

観客賞

「パパママ卒業」菅原塁翔(埼玉大学)

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おおとも ひさし @tekuriha

東京学生映画祭が閉幕、実写長編グランプリは接触恐怖症の青年描く「オキシトシン」 -
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実写短編部門 グランプリ
「I AM NOT INVISIBLE」川嶋佑喜(武蔵野美術大学)
アニメーション部門 グランプリ
「芋虫」藤田みのり(京都精華大学) https://t.co/NNmFyBKJ9T

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