「日本侠客伝」「仁義なき戦い」シリーズなどを手がけ、東映黄金期の礎を築いた脚本家・笠原和夫。彼が1964年に執筆した幻のプロットを、監督・
物語の舞台は1868年の「鳥羽・伏見の戦い」を皮切りに、15代将軍・徳川慶喜を擁する旧幕府軍と、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍=官軍で争われた“戊辰戦争”。その戦いの最中、新発田藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた奥羽越列藩同盟軍への裏切り=旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、“決死隊”として砦を守る任に就いた11人の罪人たちが描かれる。
当時、笠原は「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉の通り、勝ったほうがすべて正しく、勝敗によって善悪が決まるのが当たり前の時代に「勝つことだけが正義なのか?」と一石を投じるべく、憎き藩のために命を懸けて砦を守らなければならない罪人たちの葛藤を構想した。しかし、当時の東映京都撮影所所長・岡田茂は物語の結末が気に入らずボツに。怒りに狂った笠原は350枚ものシナリオを破り捨ててしまい、日の目を見ることのないままとなっていた。
今回の発表に際し、山田・仲野のクランクアップ時のコメントが到着。山田は「映画で描かれる賊どもの生き様が、観た人たちの心に届いて勇気づけることができるといいなと思っています」、仲野は「撮影を終えて、これまでにない達成感があります。アクションシーンが多く撮影は過酷を極めましたが、360度どこを見渡しても壮大な世界観のセットという本当に贅沢な環境で芝居ができたことが、自分の俳優人生で初めてのことだったので幸せでした」と語る。2人は2018年公開の映画「50回目のファーストキス」以来の共演となり、山田と白石は2013年公開作「凶悪」以来のタッグとなった。
また白石は「『昭和の劇』で笠原さんのインタビューを読み、プロットを手にしてから、あっという間に時間が経ちました。笠原さんの名に恥じぬようにと、今この映画を世に送り出す意義を考え、重圧に潰されそうになりながらも泥だらけになって撮影しました」と振り返る。紀伊は「大先輩である笠原和夫さんの反逆精神が宿るこの『十一人の賊軍』に、現在日本映画界最高のスタッフ・キャストが集まり、大変な制作現場を一丸となって走り抜けてくれています。まさにこれは奇跡です。完成した暁には世界に向けた渾身の作品になると信じてます!」と期待を込めた。
山田孝之 クランクアップ時のコメント
スタッフ、キャストの皆さんが何とか乗り越えようとしていたのが伝わってきて、大変だったけど楽しい撮影でした。
先にクランクアップした他のキャストの皆さんが炊き出しに来ていただいたり、こんな素敵な現場は本当にないと思いますし、ここまで大変だったからこそ、何としてでもいい作品を作ろうと一丸となって撮影に挑んでいました。
白石監督とは「凶悪」以来でしたが、変わらぬパワフルさについていくのに必至でした。ですがなにより、再度お声がけ頂けたことがとても嬉しく思いました。
太賀とは共演経験もあり、彼の芝居に対する本気度は肌で感じていましたが、他者からの高い評価も日々聞いていましたので、改めて共に作品を作れる事がとても楽しみでした。そしてとても刺激的で、やり甲斐のある現場となりました。
映画で描かれる賊どもの生き様が、観た人たちの心に届いて勇気づけることができるといいなと思っています。
この映画を最後まで突っ走ろうと思います。
仲野太賀 クランクアップ時のコメント
撮影を終えて、これまでにない達成感があります。アクションシーンが多く撮影は過酷を極めましたが、360度どこを見渡しても壮大な世界観のセットという本当に贅沢な環境で芝居ができたことが、自分の俳優人生で初めてのことだったので幸せでした。殺陣は初めての挑戦だったのですが、どんなに大変なシーンでも信頼できるスタッフのみなさまのおかげで確実にかっこいい映像が撮れているという自信をもって最後まで走りきることができました。
山田孝之さんには精神的にも体力的にもいろんな面で引っ張って支えていただきました。
他のキャストの皆さんも、どんなに大変な状況でも笑いの絶えない空気を作ってくださり本当に感謝しています。
僕も映画の完成を楽しみにしています!
白石和彌 コメント
「昭和の劇」で笠原さんのインタビューを読み、プロットを手にしてから、あっという間に時間が経ちました。笠原さんの名に恥じぬようにと、今この映画を世に送り出す意義を考え、重圧に潰されそうになりながらも泥だらけになって撮影しました。たくさんの才能あるキャストとスタッフに集まって頂き心から感謝しています。
山田孝之さんは「凶悪」以来でしたが、この作品の持つ力に太刀打ちできる俳優は彼だけだと思いお願いしました。10年ぶりの山田さんは俳優としても人としても、大きく心強い存在でした。
仲野太賀さんは、最も仕事をしてみたい俳優の一人でした。愚直で正義感溢れる侍を見事に演じてくれています。これから日本を代表する大きな俳優になるんだろうなと思います。二人がスクリーンで暴れる姿を早く見てもらいたいです。
どうか皆様楽しみにお待ちください。映画はもうすぐ完成します。完成したら、また笠原さんの墓前に手を合わせ、ご報告してまいります。
紀伊宗之(プロデューサー)コメント
笠原和夫さんの残した「十一人の賊軍」に出会い、“コレだ!!”と思いました。
この作品には歴史の狭間でもがく人間の熱いドラマが描かれていたからです。
かつて「七人の侍」「用心棒」はじめ日本の時代劇は、国内だけでなく海外でも高く評価され、誰もが知るハリウッド大作映画の基になるなど世界中のクリエイターやエンタメに影響を与えてきました。
ずっと僕もそういう映画を企画し、作りたいと思っていました。
また現代においても世界では侍や忍者といった日本固有の文化・歴史の人気は根強く、「ラスト サムライ」の世界規模での高評価に加え、ハリウッドでは忍者コンテンツが作られ続け人気を博しています。
直近では「SHOGUN 将軍」「忍びの家 House of Ninjas」が世界中で注目を集めています。
日本独自の文化を基にしたコンテンツが世界で求められているのは普遍的なことではないでしょうか。
“日本が世界と戦える映画とは、日本固有の文化に根ざした時代劇が一番”です。
笠原和夫さんといえば日本映画界の伝説的な存在であり、その名を知らない人はいません。
そんな大先輩である笠原和夫さんの反逆精神が宿るこの「十一人の賊軍」に、現在日本映画界最高のスタッフ・キャストが集まり、大変な制作現場を一丸となって走り抜けてくれています。
まさにこれは奇跡です。
完成した暁には世界に向けた渾身の作品になると信じてます!
山田孝之の映画作品
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「十一人の賊軍」山田孝之×仲野太賀がW主演、笠原和夫“幻のプロット”を白石和彌が映画化
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