映画「
“UFOのまち”石川・羽咋市を舞台とする本作では、UFOによる誘拐事件の取材をする雑誌記者・宇藤が、真相を追う中で自分を宇宙人だと名乗る女子高校生の乃愛と出会い、不可解な事件の沼にはまっていくさまが描かれる。正義感の強い宇藤を
中野は「豊かなイマジネーションに惹き込まれ、いつの間にか、一人の地球星人である自分を空想した。もしかして僕は、日本映画の(UFO的)未来を観たのかもしれない」とつづる。石井は「ジャンル映画へのひたむきな愛情と娯楽的語り口の天性の資質を試行錯誤しつつ深化させ、予算やスタッフ数では計り切れない骨太エンターテインメント人間ドラマを現出させてしまった」と松本を称賛した。
「地球星人は空想する」は、5月11日に東京・K's cinemaで公開され、6月22日からは大阪・シアターセブン、7月20日からは石川・シネモンドにて上映される。
石井岳龍(映画監督)コメント
松本監督は醒めた現代的才気で、ジャンル映画へのひたむきな愛情と娯楽的語り口の天性の資質を試行錯誤しつつ深化させ、予算やスタッフ数では計り切れない骨太エンターテインメント人間ドラマを現出させてしまった。
児玉美月(映画批評家)コメント
「真実」の重要さなどとうに置き去りにされた現代において、
人々は欲望のまま見たいようにしか見ず、
他者の関係性は記号化され容赦無く裁かれる。
それぞれの星に生まれついた異人たちでしかないわたしたちは、
果たしてどうやって共存できるのだろう。
物語の宇宙的な広がりに顔負けしないほど、
切迫性のある多くの問いに溢れた映画。
小辻陽平(映画監督)コメント
映画には、作り手がどう生きているか、どんな眼差しをもってるかが不思議なぐらいはっきり映ります。
僕は「地球星人は空想する」の、映画作りにかける童心のような憧れと、茶目っ気たっぷりの眼差しにとても惹かれました。
同じ自主映画を作る者として、世田谷センスマンズの皆さんを心から応援しています。
中野量太(映画監督)コメント
豊かなイマジネーションに惹き込まれ、いつの間にか、一人の地球星人である自分を空想した。もしかして僕は、日本映画の(UFO的)未来を観たのかもしれない。
松崎健夫(映画批評家)コメント
映画に登場する<地球外生命体>=<エイリアン>という存在は、往々にして額面通り解釈してはならないのである。大都市のランドマークに対して、破壊の限りを尽くすことを売りにしているような映画ではない場合は尚更だ。極低予算・少人数のスタッフによって製作されたこの映画には、ルポルタージュのような構成によって<エイリアン>を描くという秀逸なアイディアに加えて、ある種の哲学や思想をも見出すことができる。それは、ハリウッドが<赤狩り>の時代に人間の姿をした<エイリアン>を共産主義者のメタファーにしていたことにも似ていて、新感覚の<地球星人>=<エイリアン>を描くためにド派手な爆破や特撮など必要としない、制作陣の矜持のようにも感じさせるのである。なんとも凄い映画を作ったものだ!
望月哲史(webムー編集長)コメント
コスモアイル羽咋というロケーションからして、UFO界隈に生きる者として観ないわけにはいかない。
謎の発光飛翔体、ミステリーサークル、アブダクションなど昭和から定番のメニューを揃えつつ、信仰、覚醒、隠蔽を織り込んで、正しく現代日本のUFO映画になっている! そう、あえてぶち上げたくなる「超常現象を巡る正しさ」の問い直しが、苦しくて面白い。
ところで、ロングショットの場面で「画面の四隅が暗い」ような。これは「遠くから見ている存在」の示唆だと確信している。
おおとも ひさし @tekuriha
「地球星人は空想する」に中野量太、石井岳龍ら著名人がコメント - https://t.co/Nz1K2qz0oO