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桐野夏生による同名小説をもとにする本作は、派遣社員の大石理紀(リキ)、自らの遺伝子を継ぐ子を望む元トップバレエダンサー・草桶基、その妻で不妊治療をあきらめた草桶悠子という3人の欲望が「代理出産」を通じて交差するノンストップエンタテインメント。リキを石橋、基を稲垣、悠子を内田が演じる。
石橋は原作を読んだときのことに触れ「かなりのボリュームでカバーもぶ厚くて『ここにはものすごいものが詰まっている』と読むのに覚悟が必要でした。でも、いざ読み始めると1日で終わって。代理母のことはもちろん、貧困や女性が社会で生きていく中で抱える悩みなどのテーマが“叫び”として体に響いたんです。『これはドラマを通して世の中に伝えないといけない』と思いました」と言葉を紡ぐ。そして「特別な人というわけではなく、道端ですれ違う人のように『普通の女の子』であるように演じています」と語った。
稲垣は自らの役どころを「自分の遺伝子を残したいという本能のある人物で、時にはコミカルにも見えるキャラクター」と述懐。「このドラマには決して悪人が出てくるわけではないんですが、だからといって『共感してください』と言えるような人間でもない。難しい役なんです」と訴える。稲垣の役がバレエダンサーであることに話が及ぶと、内田は「ストレッチをするシーンを見ていると癒されるんです」と、ダンサーとしても活動する石橋は「本当につま先がきれい。稲垣さんが演じてくださると説得力もありますし、王子様のようでした」と声を弾ませていた。
「代理出産」というテーマについて、石橋は「実際にどういうことをするのかわからなかったんですが、その扉を開けてみたら倫理的な問題があったり、それぞれの立場から見えるものも違うので、とても動揺しました。今も作品を通して学んでいる状態です」と説明。稲垣も「言い方が合っているかはわかりませんが、あたかもSFの世界であるようにも感じて、驚きました」と口にし、「やっぱり問題も生じてきてしまうのかなと。今後どのような社会になるべきか、皆さんと考えていけるドラマだと思います」とコメント。そして内田は「いろいろと勉強しましたが、選択肢がたくさんあるということに勇気をもらえた気がします。繊細なテーマですが、“人間を演じる”ことを今までやってきたからこそ、思うことを素直に表現しました」と言葉に力を込めた。
第1話で印象的なシーンについて質問されると、石橋は「コンビニのシーンですね。いろいろな人がいる空間で献血や卵子提供の話をしているんですが、トピックスとして大きな話なのに、普通の女の子が普通の場所でしている。この先の物語にとってキーになる部分ではないかと思います」と紹介した。
稲垣は内田との夫婦役について「違和感なく観られるという点ではうまくいっているのではないかな」と振り返り、内田も「生活の一部が垣間見えながら、徐々にすれ違っていく様子を感じてもらえたらと思いますね」と続く。バラエティ番組以外での共演は初めてだそうで、稲垣が「同じ世代ですし、『稲垣くん』と同級生のように呼んでくださるのに安心感があります。まとう空気感が似ているのかもしれないし、それが夫婦としてフィットして見えればいいですよね」と発言すると、内田も「お互いマイペースという共通点がありますよね。稲垣さんとは最初から同じ空間に暮らしているような気になりました」と返答。稲垣は「今は『稲垣さん』なんですね。たまに『吾郎ちゃん』って呼ぶときもあるんですよ」と恥ずかしそうに笑った。
全10回の「燕は戻ってこない」は4月30日にNHK総合でスタート。毎週火曜22時から放送される。
ドラマ10「燕は戻ってこない」
2024年4月30日(火)~7月2日(火)
NHK総合 毎週火曜 22:00~22:45
NHK BSプレミアム4K 毎週火曜 18:15~19:00
サイトー @pinot96
【会見レポート】「燕は戻ってこない」石橋静河が稲垣吾郎のバレエダンサー役を絶賛「王子様のよう」
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