2023年12月より全国で順次公開中の「ホゾを咬む」は、結婚して数年になる妻のミツと2人で暮らす会社員・茂木ハジメを主人公とする物語。ある日ハジメは普段とまったく違う格好のミツを街で見かけるが、妻は1日外出していないと言う。ミツへの疑念や苛立ちから、ハジメは家に隠しカメラを設置するのだった。
特集では、高橋が手がけた過去作品のほか、カラー版「ホゾを咬む」がスクリーンにかけられる。また会期中には高橋による演技ワークショップが行われ、その実習作品として制作する新作短編の上映企画も進行中だ。
高橋は「これまでに制作した監督作は40本以上。常に自分と向き合い、映画と格闘をする毎日でした」「映画監督・高橋栄一の活動『過去・現在・未来』を、是非観に来てもらいたいです」とつづる。小沢、高円寺シアターバッカスの支配人・丸山大悟、映画レーベル・Cinemago代表の出町光識によるコメントは以下に掲載した。
※高橋栄一の高は、はしごだかが正式表記
高橋栄一監督・特集上映記念ワークショップ
2024年2月3日(土)~24日(土)10:00~17:00
※全4回、毎週土曜日に実施
※場所は東京都世田谷区を予定
高橋栄一 コメント
映画監督を目指し、カメラひとつで作品を作り始めたのが14年前。
自分の作家性を探るため、武者修行のように作品を作り続けていました。これまでに制作した監督作は40本以上。常に自分と向き合い、映画と格闘をする毎日でした。2023年、長編劇場デビュー作となった「ホゾを咬む」は、これまでの活動の結果であり、映画監督としての出発点となる作品です。今回の3ヶ月に及ぶ特集上映では、過去短篇作品の併映、カラー版「ホゾを咬む」の特別上映、そして2月に行うWSで制作する新作短篇作品の併映を企画しています。映画監督・高橋栄一の活動「過去・現在・未来」を、是非観に来てもらいたいです。
小沢まゆ コメント
「ホゾを咬む」の製作過程において、高橋栄一監督が映画と対峙しながら様々なチャレンジをしている姿を間近で見てきました。吉と出るか凶と出るか、ギリギリのラインで勝負していることもありました。その思考や感覚の先に、または根底に、いったい何があるのかを見てみたい。そう思わせてくれるのが作家・高橋栄一です。
「ホゾを咬む」はどこにもない映画になりました。何が“どこにもない”のか、是非ご自身の目で確かめてください。
そして、シアターバッカスさん・Cinemagoさんとともに立ち上げた今回のロングラン上映&短編併映企画は、「作家」「映画」「映画館」の可能性を大きく広げる機会になるのではないかと、いち映画ファンとしても期待しております。
丸山大悟 コメント
シアターバッカス1日の最高動員、186名様。6回上映全ての回でフルハウス。
数多くの短編作品が集まった企画で、大いに活躍したクリエイターたちの中に、高橋監督の姿がありました。バッカス最大の特徴である「クリエイターとオーディエンスが直接向き合う」という事を本気で目指した企画なので「動員はできたが、ディスカッションの時間が少なくなってしまった」と反省しきりの高橋監督が印象的でありました。多分高橋監督は考え続けているのだと思います。スクリーンのこちら側と向こう側、視線のこちら側と向こう側、その両跨ぎの世界をいかに映画としてフィックスするのか、を。表現と経済を包含した「映画」として生まれた「ホゾを咬む」は、その最新の成果物、だと思うのです。
出町光識 コメント
インディーズ作家と対峙する際、映画監督になる前夜の原石を「如何様に磨きをかけるのか?」というのがディストリビューターとしての仕事。
同志である「ホゾを咬む」の小沢まゆプロデューサーが唯一無二として見出した、高橋栄一という“才能の原石”を「制作×劇場×配給」という3つの視点から磨き上げ、「作品+1」としての「作家とは如何にあるべきか」における「1」を見立てることです。
おおとも ひさし @tekuriha
「ホゾを咬む」高円寺シアターバッカスで3カ月上映決定、監督・高橋栄一の特集企画も(コメントあり) -
"ミネオショウがハジメ、本作のプロデューサーでもある小沢まゆがミツを演じたほか、木村知貴、河屋秀俊、福永煌、ミサ、リサ、富士たくやらが出演している。 https://t.co/A8zDk4ai93