本作の舞台は、奈良県南東部の山々に囲まれたある静かな集落。12歳のイヒカは、集落で代々旅館を営む家に生まれた。数年前から父とは別居しているが、母の咲は結婚を機に嫁いだ旅館を義理の父・シゲと切り盛りしている。そんなある日、シゲが姿を消し、イヒカの家族に変化のときが訪れるのだった。
オーディションで抜擢された奈良県出身の三宅がイヒカ役、水川が咲役で出演。イヒカの父・良治に
三宅は「共演者の方々が私のことをイヒカとして接してくれて、イヒカとして生活する事で、とても自然体で撮影に臨むことができました」、水川は「それぞれ登場人物の想いや葛藤はもちろんですが、雰囲気や匂い、そんなものまで感じてもらえたら嬉しいです」とつづった。三浦、堀田、村瀬のコメントは下記の通り。
三宅朱莉 コメント
この「霧の淵」という作品の出演が決まった時、喜び以上に驚きや不安がありました。
それまで映画に出演した経験もなく、不安な気持ちもありました。
ですが、いざ現場入りしてみると、監督さんやスタッフさん、
共演者の方々が私のことをイヒカとして接してくれて、イヒカとして生活する事で、
とても自然体で撮影に臨むことができました。
奈良の川上村で過ごす、日常を切り取った様な暖かい作品です。ぜひ劇場でご覧下さい。
水川あさみ コメント
奈良の川上村で住むようにして撮影した日々を思い出します。
山で椎茸や山菜をとったり、薪で火を焚べたり、沸騰するお湯の湯気すら愛おしい時間でした。
わたし演じる咲のモデルとなった朝日館の女将から、
色んな話を伺う事で役が生きてきて映画に反映される。
東京で暮らすわたしには全てが贅沢で素晴らしい経験でした。
それぞれ登場人物の想いや葛藤はもちろんですが、
雰囲気や匂い、そんなものまで感じてもらえたら嬉しいです。
三浦誠己 コメント
大好きな出演作が、またひとつ増えました。
撮影現場で何度も映画が「育つ」瞬間を体験でき、
また演技の中で導かれるように動く自分に鳥肌が立ちました。
この映画は村瀬監督のもと、素晴らしいチームの力と奈良県川上村の方々の協力によって「育てられた」映画だと思っています。
素晴らしい脚本が、撮影現場の様々なアンサンブルによって超越していく瞬間がありました。
是非、映画館で「風の音」「森の匂い」を感じて下さい。
堀田眞三 コメント
令和4年3月23日、古来より神秘の力が宿り、
悠久の歴史を誇る奈良県の奥吉野川上村、朝日館さんにてクランクインしました。
峰にはまだ雪があちこちにあり、以来 山全体 吉野桜 満開の絶景に至る大自然の元3週間撮影しました。安全成功祈願祭、さざれ石、てんから釣り、見事な苔・石垣、源流館、
ジビエのロールキャベツ、鹿の焼き肉弁当
春増さんのお話、撮影では百々カメラマンの笑顔に助けられ、尽きぬ想い出ばかりです。
そして何よりの喜びは皆々さんに凄ーく良くして頂け心豊かな毎日を過ごさせていただいた事です。
「霧の淵」に関わる皆様、本当にありがとうございました。
村瀬大智 コメント
「霧の淵」は、川上村で川上村の皆さんと作った大事な映画です。
2020年から川上村で長い時間を過ごさせてもらい、
撮影も沢山の村民の方々にご協力やご出演いただきました。
そして「霧の淵」は、過疎化が進む村で老舗旅館を営む家族の映画です。
この映画の舞台となった奈良県の川上村は、
2018年には人口減少率では全国でワーストになってしまった村です。
僕はこの村出身でもないし、縁もゆかりもありませんでした。言ってしまえば他所者です。
他所者には分からないこともあれば、他所者だからこそ感じるものもあります。
村内の人が住まなくなってしまった集落、ダムの底へと続く旧道。
かつての人々の生活の痕跡。
何かを永遠に保存していたい気持ちと衰退の過程の瞬間にある無常を美しいと思ってしまう矛盾した気持ちを抱きながら、この映画は出来上がりました。
過去、現在、未来と、フレームの外へ伸びてゆく川上村での時間を体感していただけたら嬉しいです。
まつむらしんご @hakoiri2002
「霧の淵」をとても楽しみにしてます。
拙作「ふまじめ通信」で悩める優等生タケダを演じてくれた、三宅朱莉さんが主演とのこと。三宅さんは今後必ず注目される存在です。絶対にまた一緒に作品を作りたいと思ってます。 https://t.co/6q74eq5Kla