戦争に引き裂かれる教え子の恋、原作・太宰治×主演・窪塚俊介「未帰還の友に」予告

窪塚俊介が主演を務めた映画「未帰還の友に」の予告編がYouTubeで公開。新たな場面写真や太宰治研究家の木村綾子によるコメントも到着した。

福間雄三が監督した本作は、作家・太宰治の没後75年を記念し、彼が1946年に発表した短編「未帰還の友に」を映画化した物語。小説家の“先生”は自身を慕う学生たちの中でも、鶴田に特別な友情を感じるようになる。そんな中、出征が決まる鶴田。彼は居酒屋の娘・マサ子と恋仲だったが、苦しみながらも彼女との別れを決心し、“先生”にそのことを告げる。“先生”を窪塚が演じ、鶴田に土師野隆之介、マサ子に清水萌茄、井伏鱒二に詩人・萩原朔太郎の孫にあたる萩原朔美が扮した。

予告編には物語の語り部となる“先生”や、戦争によって引き裂かれる鶴田とマサ子の姿を収録。場面写真には、映画のオリジナル要素として追加された新宿ムーランルージュの場面などが収められている。

著書「いまさら入門 太宰治」や「太宰治と歩く文学散歩」などで知られる木村は、映画の感想を「君は、君が、君の、君に──。繰り返し『君』と呼び、語りかけるように綴られる原作の言葉を、文字ではなく音として、ずっと聴いてみたかった。ひゃっぺん繰り返した妄想を、本作が鮮やかに書き換えてくれた。先生が友を呼ぶ声とは、ふたりのあいだに流れていた時間とは、こんなにも優しく、切なく、そして愛おしいものだったのか」とつづった。

「未帰還の友に」は、12月15日より東京・アップリンク吉祥寺ほか全国ロードショー。

映画「未帰還の友に」予告編