高峰秀子生誕100年企画の詳細発表、養女・松山明美は「こんな人には二度と出会えない」

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高峰秀子生誕100年プロジェクトの製作発表会見が本日10月2日に東京・帝国ホテルで開催。プロジェクト実行委員会会長・大江正彦、プロジェクト委員・松山明美、プロジェクトサポーター・名取裕子が登壇した。

高峰秀子生誕100年プロジェクト製作発表会見の様子。左から松山明美、名取裕子。

高峰秀子生誕100年プロジェクト製作発表会見の様子。左から松山明美、名取裕子。

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高峰秀子生誕100年プロジェクトのキービジュアル。

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1924年に北海道・函館で生まれた高峰は、「母」で映画デビューし“天才子役”として人気を集める。「二十四の瞳」「浮雲」など数多くの作品に参加し、55歳で出演した「衝動殺人・息子よ」を最後に銀幕を引退した。文筆業でも活躍し、「巴里ひとりある記」「わたしの渡世日記」「にんげん住所録」などを著す。本プロジェクトは生誕100年となる2024年を機に、高峰の俳優としての功績に限らず、人・女性としての生き方、美学などを知ってもらいたいという思いから企画された。

大江正彦

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後援として、東宝の取締役専務執行役員である市川南、松竹の執行役員メディア事業部部長である井田寛、KADOKAWAの取締役代表執行役である山下直久、日本映画製作者連盟の事務局長である星野哲も参加した同会見。香川・小豆島の町長を務める大江は「小豆島が“観光の島”になったのは、1954年に公開された『二十四の瞳』がきっかけです。高峰さんと当時助監督だった松山善三さんは、このロケを発端に交際を始められたと伺っています。松山善三さんと高峰さんの養女・松山明美さんからは、お二人の貴重な遺産の一部をご寄付いただき、条例と基金を設置いたしました。今回の生誕100周年にあたって、小豆島では小さいながらもプロジェクトチームを立ち上げ、さまざまな催しを企画しております」と述べた。

名取裕子

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左から市川南、井田寛、山下直久、星野哲。

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名取は「高峰さんとは九州の映画祭で同席した際に、軽く会釈しただけなんです。そのときは70代くらいでしたか、本当にお美しくてオーラがあって。スクリーンで観た、御本で読んだ高峰さんがいました。高峰さんのお言葉や書き物、本当にいい物を大事になさる姿、終活の潔さ、凛とした生き方……女優としても人としても憧れております。いちファンとして、女優の端くれとして、この席にいられることを感謝いたします」と挨拶。市川は「高峰さんは東宝・新東宝の専属俳優時代もありまして、会社の大先輩です。東宝の成瀬巳喜男とのコンビ作が多い。さらに東宝では『浮雲』や代表作も多数ありご縁を感じています」、井田は「この盛大なプロジェクトに参加できることを大変誇りに思います。松竹では『二十四の瞳』『カルメン故郷に帰る』など珠玉の名作を取りそろえておりますので、1人でも多くの方に観てもらえるよう取り組んでいきます」とコメントした。

山下は「大映作品として、KADOKAWAでは『華岡青洲の妻』などをお預かりしております。母が大変なファンで、高峰さんがデコちゃんという愛称で親しまれていたことを幼心に覚えています」、星野は「日本映画史を彩る大女優、高峰秀子さんをこういった形でお祝いしフォーカスする事業に参加できて大変光栄です。力を合わせて盛り上げていきたいです」と意気込む。

松山明美

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松山明美は「ここでちゃぶ台返しのようですが、高峰はおそらく怒っていると思います」とほほえみ、「高峰は自分のために人様の手を煩わせたり、派手なことをするのが嫌いでしたので。高峰のために松山が買ったジャガーに今朝乗ろうとしたら動かなくなりました。こういうことがあると、母ちゃんが反対してるからかな?と罪悪感があります。高峰はきっと『皆さんの手を煩わせて、あんたは何してるんですか』と言うと思います。ただ私は、高峰はこういった企画をする値打ちのある人だと思っています。昔ファンの方が数えてくれたのですが、その記憶に間違いがなければ映画は319本、著作は26作遺しました」と力強く語る。また「名取さんには2回ロングインタビューをさせていただいたことがあるんですが、気取らない、いい方だなと思っていて。それで今回参加をお願いしようとしたら、なんと生の高峰を見たことがあるというので非常に驚きました。これもご縁ではないかと」と続けた。

高峰について、松山明美は「すごく面白い人で、ずば抜けて頭がよかったです。目から鼻に抜ける、というのはあの人のことだなと。そして人の気持ちのわかる人でした。私は晩年の彼女のそばにいて、こんな人には二度と出会えないだろうなと思っていました」と述べ、「私はこれからの世代の方にも高峰秀子という人間を知ってもらいたい。高峰に勘当されようがなんだろうが、このプロジェクトをやりたいと考えたんです」と深い思いを伝える。

後半は今後プロジェクトで行われる上映会やイベントについてトークを展開。2024年3月28日から東京・RED° TOKYO TOWERで開催される「高峰秀子生誕100年大特別展『逆境を乗り越えた大女優 高峰秀子の美学』」に関して、松山明美は「引っ越すんじゃないかってくらいの荷物の量を出すんじゃないかな(笑)。食卓や文机、表に出していなかったものを展示します」と期待をあおる。また高峰の半生を説明しながら「彼女の(若い頃の)私生活は幸せではなかったんです。でも私が知り合った70代以降、『今が一番幸せ』と言っていました。その全生涯を東京タワーでお見せしたい。読み物ではなく、目で見て理解していただきたいです」と述懐した。

「浮雲」場面写真 (c)TOHO,.CO.LTD

「浮雲」場面写真 (c)TOHO,.CO.LTD[拡大]

名取裕子

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最後にお薦めの高峰作品を尋ねられた名取は「『浮雲』は高峰さんの演技に、女の性(さが)みたいなもの、美しさ、はかなさがありますよね。若いときに拝見してすごく感動した作品です。また『女が階段を上る時』では、ちょっとすねたような、投げたような表情や姿をしながらも、生きていく強さと美しさを見せてくれました。こういうことが体現できる方はなかなかいないと思わされました」と答え、プロジェクトで上映される作品をアピールした。

プロジェクトにまつわるイベント情報は以下の通り。関連書籍も出版予定で、ドラマ・ドキュメンタリー番組の制作も準備中だ。

※最新のスケジュールや上映作品などは公式サイトで確認を

高峰秀子生誕100年プロジェクト

特集上映

2023年10月15日(日)~31日(火)東京都 新文芸坐
<上映作品>
「浮雲」「張込み」「名もなく貧しく美しく」「山河あり」など計12本
<斎藤(松山)明美 トーク&サイン会>
2023年10月15日(日)午後

2023年11月11日(土)香川県 香川県立ミュージアム
<上映作品>
「カルメン故郷に帰る」
<斎藤(松山)明美 講演会>
2023年11月11日(土)15:00~

2024年1月1日(月・祝)~3日(水)東京都 新文芸坐
<上映作品>
近日決定

2024年2月3日(土)~ 大阪府 シネ・ヌーヴォ
<上映作品>
近日決定

2024年3月6日(水)~5月4日(土・祝)東京都 ラピュタ阿佐ヶ谷 
<上映作品>
「綴方教室」「チョコレートと兵隊」「樋口一葉」「秀子の應援団長」など計11本
<斎藤(松山)明美 トーク&サイン会>
2024年3月9日(土) 

2024年4月7日(日)高知県 高知県立県民文化ホール
<上映予定作品>
「女が階段を上る時」「衝動殺人~息子よ」「母」※3本立て
<斎藤(松山)明美 講演会>
2024年4月7日(日)

2024年11月~2週間 神奈川県 鎌倉市川喜多映画記念館
<上映予定作品>
近日決定

東京都 東京都写真美術館 1階ホール(調整中)
※東京都写真美術館への直接の問い合わせは不可

※特集上映の劇場は順次拡大予定

展覧会

高峰秀子生誕100年特別展「高峰秀子が愛したきもの」展

2024年3月27日(水)~4月9日(火)東京都 日本橋三越本店
※入場無料

高峰秀子生誕100年大特別展「逆境を乗り越えた大女優 高峰秀子の美学」

2024年3月28日(木)~5月6日(月・祝)東京都 東京タワー1F RED°TOKYO TOWER特別会場
<入場料>
前売り券 大人1100円 / 当日 大人1500円
※チケットぴあ / ローソンチケットほかプレイガイドで販売予定

「巨匠が撮った高峰秀子」写真展(予定)

2024年11月9日(土)~12月8日(日)東京都 東京都写真美術館 地下1階展示室
※東京都写真美術館への直接の問い合わせは不可

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Taul @TaulNcCar

一番好きな偉大な女優。凄いプロジェクトが始まった。気になる企画がいっぱいだ。 https://t.co/7LNZBonqzr

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