インドのドキュメンタリー映画「
本作はインド北部のウッタル・プラデーシュ州にてカースト制度外の“不可触民”として差別を受けるダリト(ダリット)と呼ばれる女性たちが立ち上げた新聞社カバル・ラハリヤを追ったもの。貧困と階層、ジェンダーといった差別や偏見、さらには家族からの抵抗に遭いながらも、取材道具のスマートフォンを手にカバル・ラハリヤの記者が発信するニュースは大きな波を起こしていく。
ライターのISOは「滾る。これほど熱い作品は滅多にお目にかかれない。社会から与えられなかった学も、自由も、平等も、自らの手で掴み行く女性たち。情熱は波紋のように広がり、少しずつ日常を変えていく」、映画・音楽パーソナリティの奥浜レイラは「足りないのはくじけない意志だと彼女たちの目が語りかける」とつづっている。このほかライターの武田砂鉄、東京新聞記者の
YouTubeで公開中の予告には、スマホを手に黙殺されてきた差別や暴力について取材を重ねる女性たちの姿が切り取られている。なお本作の公開に伴い、監督を務めたリントゥ・トーマスとスシュミト・ゴーシュの来日も決定した。
第94回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた「燃えあがる女性記者たち」は、東京・渋谷ユーロスペースほか全国で順次公開。
ISO(ライター)コメント
滾る。これほど熱い作品は滅多にお目にかかれない。社会から与えられなかった学も、自由も、平等も、自らの手で掴み行く女性たち。情熱は波紋のように広がり、少しずつ日常を変えていく。そしてその熱量はスクリーンを経由し、私たちにも伝播する。そうだ、自ら声をあげ、挑まなければ。世界が変わるのを待つだけの日々はもうやめだ。
奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)コメント
権力とメディアの癒着、腐敗などネガティヴな面が露呈し、報道の自由度ランキングが年々後退する日本において、カーストによる差別や暴力にさらされてきた記者たちの蜂起を目撃する意義は大きい。「声を上げたって何も変わらない」そんな無力感が、発言し行動するエネルギーを奪っていく。でも私たちには言葉がある。スマホもペンもある。足りないのはくじけない意志だと彼女たちの目が語りかける。
武田砂鉄(ライター)コメント
「なんだオマエたちは」と軽んじる表情を映し出す。周りの野次馬はニヤニヤしている。
それでも、強者を問う姿勢を貫く。「あなたの国はどう?」と問われた気がした。
望月衣塑子(東京新聞記者)コメント
カースト制のさらに下に位置する「ダリト」の女たちが作り出したメディアが、身分差別社会インドを変革する。侮蔑する男をものともせず、貧困に苦しむ人々と為政者のギャップにカメラを向け続ける。「怯むな、前に進め」。メディアに携わるあらゆる人々がみるべき映画だ。
安田菜津紀(メディアNPO Dialogue for People 副代表 / フォトジャーナリスト)コメント
カーストの壁、家族という呪縛、世間の目、そして女であること―幾重にも折り重なり、のしかかる差別構造の中、消されてきた声を拾い続ける記者たちの姿は、暗闇の中でなお輝く、民主主義の灯そのものだ。
たぬさん @144tanusan
これ見たかったやつ…!!
監督お2人も来日するの…!!?すごい!✨
彼女たちの活動は「14年」と作中でも答えているけど、この予告編だけでもその14年がどれほどに重く容易なものではなかった年月だったか感じます。
彼女たちを、活動を知りたい。
日本で、9月16日公開!
#燃えあがる女性記者たち https://t.co/fUAfupVHHZ