「轟音」の片山享が福井を舞台に描く「いっちょらい」公開、津田寛治がコメント寄せる

「轟音」で知られる片山享が監督を務めた「いっちょらい」が、6月17日から東京の池袋シネマ・ロサほか全国で順次公開されることが決定。あわせてポスタービジュアル、場面写真、予告編が解禁された。

片山が2017年に制作した同名短編映画をセルフリメイクした本作は、病で倒れた父の代わりに故郷・福井の中華料理店を継ぐことになったテツヤの物語。かつて東京で自分の店を持つことを夢見ていた彼は、周りに取り残されているように感じていたが、ある日訪問看護師から父の容体が悪くなっていることを告げられたことで「幸せとは何か」に向き合っていく。「RUN!-3films-」「GOLDFISH」の松林慎司がテツヤを演じ、太田美恵、安楽涼、窪瀬環、岸茉莉、柳谷一成、大宮将司、あまつりか、中山卓也、藤井啓文、大平智子、山田昭二がキャストに名を連ねた。

このたびYouTubeで公開された予告編には、テツヤが店のカウンターでたばこを吸う姿や、彼が介護士とともに父のおむつを替える様子が映し出される。ポスタービジュアルには商店街に佇むテツヤが切り取られ、法被を着た男性の後ろ姿が重ね合わされた。

本作の劇場公開に伴い、福井出身である津田寛治のコメントが到着。彼は「遠きにありて思うものばかりが故郷ではないという彼のメッセージは、同郷である僕には殊更心に刺さりました」と述べている。また6月10日からの1週間、池袋シネマ・ロサにて片山の特集上映も開催。「わかりません」「轟音」「道草」がラインナップされた。

片山享監督特集

2023年6月10日（土）東京都 池袋シネマ・ロサ
＜上映作品＞
「わかりません」
「轟音」
「道草」

津田寛治 コメント

福井生まれの片山監督が作った福井駅前シャッター商店街の物語。彼は自分の腹にある鉛色の原風景から目を背けず、それを吐き出し、この映画に染み込ませたんだと思います。遠きにありて思うものばかりが故郷ではないという彼のメッセージは、同郷である僕には殊更心に刺さりました。出演者たちのリアルな演技も必見です。

片山享 コメント

映画「いっちょらい」は僕の生まれ故郷である福井県で撮影させていただきました。生きていればそれぞれ色々ありますが、なんというんでしょうか、辛いことがあった時、僕はそれを乗り越えるという言葉があまり好きではなくて、やっぱり出来事を忘れることなんてできないと思うんです。だから、そんな辛いことがあったけど、それをちゃんと背負って、それでもなんとか1歩でも前に進むことを大事にしたいと思っていて、それをこの映画を通して伝わったら嬉しいなと思っています。「いっちょらい節」がみなさんの応援歌になることを願っています。幸せってなんやろね。