アッバス・キアロスタミ監督作「クローズ・アップ」HDリマスター版の予告編が解禁

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クローズ・アップ」HDリマスター版の予告編が解禁。あわせて映画監督・濱口竜介のコメントが到着した。

「クローズ・アップ」

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「クローズ・アップ」ポスタービジュアル

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1990年に製作された「クローズ・アップ」は、ある男が映画監督のモフセン・マフマルバフになりすまして裕福な一家をだました詐欺事件の公判の模様を記録したドキュメンタリーと、その事件に至る過程を当事者たちに演じさせた再現ドラマを織り交ぜた作品。「友だちのうちはどこ?」で知られるアッバス・キアロスタミが監督を務めた。

YouTubeで公開された予告編は、映画作家の小田香が手がけたもの。「なぜマフマルバフと名乗ったのですか」という問いに対して「せめてマフマルバフになってみたかったのです」と答える男の姿が収められた。小田は「素晴らしいショットやイメージというのは、一瞬で時空を超えさせてくれるのだと、しみじみ感じました」とコメントしている。

濱口は「なぜこの世にこんな映画が存在するのかまったくわからないが、目の前にある以上は信じざるを得ない。キアロスタミによる映画の存在証明」とつづった。

なお東京・ユーロスペースでは初日9月3日に来場した人に、本邦初公開時の予告篇35mmフィルムから作った“オリジナル栞”をプレゼント。さらに9月3日に東京外国語大学附属アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー(ペルシア文学・映画研究)の山本久美子、9月14日に映画監督の深田晃司によるレクチャーを実施予定だ。詳細は追って劇場公式サイトで発表される。

「クローズ・アップ」のHDリマスター版は、the アートシアター Vol. 4の作品として9月3日よりユーロスペースで3週間限定上映、10月から大阪のシネ・ヌーヴォほか全国で順次公開。

濱口竜介(映画監督)コメント

自分が見たものを信じられずに何度も見てしまう。イラン社会をすり抜けつつ恩寵のような偶然をすべてものにしてしまう、もはや悪魔的なまでの狡猾さと執念。なぜこの世にこんな映画が存在するのかまったくわからないが、目の前にある以上は信じざるを得ない。キアロスタミによる映画の存在証明。

小田香(映画作家)コメント

予告篇制作に不慣れで、確認作業をするために、繰り返し同じ場面を見ました。その度に胸を打つショットたち。
主人公の顔つき、花束の鮮やかさ、転がっていく空き缶の音から、ぐんぐんと映画に引き込まれ、はっと編集机に戻ってくる、という時間を過ごしました。
素晴らしいショットやイメージというのは、一瞬で時空を超えさせてくれるのだと、しみじみ感じました。

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(c)1990 Farabi Cinema

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