原田眞人の助監督務めた島田伊智郎による監督作公開、林遣都や尾野真千子らがコメント

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原田眞人成島出篠原哲雄深川栄洋らの助監督を経験した島田伊智郎の第1回監督作「消えない虹」が、9月3日から東京・K's cinemaほか全国で順次公開される。

「消えない虹」ビジュアル

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「消えない虹」

「消えない虹」[拡大]

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本作は女子中学生同士の殺人事件から、26年前に起きた触法少年(刑罰法令に触れる行為をした14歳未満の少年)の少女殺人事件が浮かび上がっていくヒューマンドラマ。13歳のときに友達の犯行で妹を亡くした新聞記者の月野木薫は、ある友人の子供・茜を世話していた。しかし、茜が女子生徒転落死事件の加害者となったことをきっかけに、薫は自分の妹を殺害した元加害少年と再会することになる。キャストには内田周作猪爪尚紀矢崎希菜野村麻純吉本実憂星川祐樹大槻修治世志男平山さとみ川口莉央裕樹が名を連ねた。

林遣都、成島、島田荘司、篠原、深川、尾野真千子からは応援コメントが到着。林は「今の世の中を生きる我々が重く受け止めなければならないことを鋭く訴えかけてくる、作品全体から言葉にならない叫びが聞こえたように思います」、成島は「本当に人が人を赦す、ということはどういうことなのか。切ない痛みと希望を、登場人物と同じ地平に立ち、誠実に汲み取った新人監督に拍手を送ります」とつづっている。YouTubeでは予告編が公開中。

島田伊智郎 コメント

「14歳未満の少年少女については刑事責任を問わない」
そのことを知った時、子を持つ一人の親である私が被害者側の立場になったことを想像すると、どこに救いを求めればいいのかと無力さを感じました。同時に、加害者側だった場合も、刑罰をもって償う機会を得られず社会的に一生許されないのではないかと怖くなりました。つまり、どちらの立場だとしても救われないケースが有るのかも知れない。そんな時にどうやって生きていけば良いのか分からなくなると思ったのです。そんな悲しみを生まないためには、これ以上一人の少年少女も加害者にも被害者にもしてはいけないと、そう思ったのです。全ての方の未来を願う、希望の光で出来た虹はきっと消えない。そう信じられる物語を届けます。

内田周作 コメント

オーディションの誘いとともに手元に届いた台本。
そこに描かれていた、忘れる事のできない過去に縛られた登場人物たちの物語は、
コロナ禍の始まりの真っ只中にいた自分と向き合うための何かを見つめるきっかけを得られるような気持ちにさせられました。映画の中の彼らのように大きな罪の意識や喪失をかかえていなくとも、自分自身や社会に対する不信や不安から気づかぬ内に幸せから逃げるように生きてしまうことはままあることで、私自身も「あの時はそうだったかもしれない」と思い出せることがいくつもあります。この作品が、そんな風に立ち止まってしまっている沢山のいつかの私自身の背中にそっと手のひらを添えるような映画になればと願ってやみません。最後になりましたが、この作品を出演者の一人として皆様にお届けできる事ができ、本当に嬉しく思っております。楽しんでご覧いただければ幸いです。

猪爪尚紀 コメント

許すこと、許されること。その基準は何なのか。
台本を初めて読んだ時に、その様に思ったことを強烈に覚えております。
自分の中の割り切れない気持ち、隠したい感情、抗えない痛み。そんな登場人物の心情を島田監督と共に丁寧に紡いできました。
今の時代だからこそ、この様な作品に関われたことを嬉しく思います。
作品を見ていただいた皆様に、何かしらの希望の光をお届けできたら幸いです。

林遣都(俳優)コメント

今の世の中を生きる我々が重く受け止めなければならないことを鋭く訴えかけてくる、作品全体から言葉にならない叫びが聞こえたように思います。
許されるべき人、必要以上に苦しんでいる人、そういった人が生まれる原因はどこにあるのか。本当の意味で可哀想な人とは、人を傷つけることで己の何かを満たしている人だと感じさせられました。この映画に込められた想いが沢山の方に届きますように。

成島出(監督)コメント

犯罪を犯した側と、その犯罪の被害者家族。どちらの傷も憎しみも時間は解決してくれない。逆に深くなっていくことさえあるのだとこの映画は気付かせてくれる。本当に人が人を赦す、ということはどういうことなのか。切ない痛みと希望を、登場人物と同じ地平に立ち、誠実に汲み取った新人監督に拍手を送ります。

島田荘司(作家)コメント

底辺を這いずり廻る者たちへの共感。
絶望だけの人生が折り重なった先に待つものは、ただの死? それとも──。

篠原哲雄(監督)コメント

私の現場で、島田は常に冷静に脚本を分析し、時に彼独特の大胆な見解を示し、作品への寄与をしてくれた。そんな彼のオリジナル作品に期待せざるを得ない。案の定、本作は一筋縄ではいかないギミックが敷かれている。昭和の風情が懐かしく、一見今時の映画ではない気もするが、鬼気迫る後半の展開は紛れもなく今でないと撮れない映画だと感じる。

深川栄洋(監督)コメント

人間はどういう生き物なのか?とあの頃からずっと考えている。
監督は出会った8年前とまったく変わらない。映画を観てそう思いました。
キャメラと若い役者たちの仕事は素晴らしく、不知の自覚からの苦悶が刺さります。
あの屋上に、あの部屋に、自分も一緒に居たような錯覚を起こしそうになる。
テミスの持つ天秤では測れない罪がある、そう感じました。

尾野真千子(俳優)コメント

辛い。正解がない問題に辛い。それぞれのいたみ、それぞれの救い、きっとどこかに救いがあるはずだと願い思うその心が映画には描かれ、見た人がそれを心から考える。
そして私も考える。いつかの救いを求めて。

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