沖縄戦で看護にあたった“白梅学徒”に迫る映画公開、ドキュメンタリーとドラマで構成

「乙女たちの沖縄戦～白梅学徒の記録～」が、8月2日から7日にかけて東京都写真美術館ホールで上映される。

沖縄戦で看護学徒として動員された、沖縄県立第二高等女学校の4年生56名からなる白梅学徒。たった18日間の看護教育を受けただけで野戦病院に配属された彼女たちは、やがて米軍の攻撃にさらされ命を落としていった。本作はドキュメンタリーパート90分、ドラマパート30分で構成。2つのパートを通して、沖縄戦や白梅学徒の存在、そして戦争の悲しさを浮き彫りにしていく。なおドラマパートは、取材することができた元白梅学徒の証言をもとに制作されている。

ドキュメンタリーパートは「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」の太田隆文が監督。ドラマパートは「祈り ー幻に長崎を想う刻ー」の松村克弥が監督、太田が脚本を担当した。太田は「多くの日本人がその存在さえ知らない白梅学徒。ひめゆり学徒だけではない。10代の少女たちが戦争に巻き込まれる悲しみと葛藤を伝える」とコメントしている。

沖縄が日本本土に復帰して50年を迎えたことを記念してスクリーンにかけられる「乙女たちの沖縄戦～白梅学徒の記録～」。太田が監督した「ドキュメンタリー沖縄戦」も同時上映される。YouTubeでは予告編が公開中だ。

太田隆文 コメント

私の前作「ドキュメンタリー沖縄戦」は一昨年、昨年と2度も劇場公開され大評判となった。が、心残りだったのが、スケジュールが合わず白梅学徒の取材ができず、前作で紹介することが出来なかったこと。それがようやく実現したのが今回の作品。多くの日本人がその存在さえ知らない白梅学徒。ひめゆり学徒だけではない。10代の少女たちが戦争に巻き込まれる悲しみと葛藤を伝える。ロシア×ウクライナの戦闘が続く今、戦争の悲劇を見つめる機会にしてほしい。