「A」「FAKE」「i-新聞記者ドキュメント-」で知られるドキュメンタリー監督の
福田村事件は1923年の震災当時、薬売りの行商人が自警団に襲われ、幼児や妊婦を含む9名が殺された事件。現在の千葉県野田市に存在した福田村三ツ堀の利根川で発生し、犠牲者は香川県の被差別部落出身者だった。各地で発生した朝鮮人虐殺は知られているが、少なくない数の中国人や日本人も殺されたことは歴史に埋もれているのが現状だ。映画は2022年9月のクランクインを予定。事件から100年の節目となる2023年9月の劇場公開を目指す。
森は「多くの人が殺された。多くの人が殺した。でもこの事件を知る人はほとんどいない。皆が目をそむけてきた。見て見ないふりをしてきた。惨劇が起きてから99年が過ぎたけれど、事実を知る人はもうほとんどいない」と歴史認識を明かしつつ、「あとは撮るだけだ。でもそのためには資金が必要だ。ある程度の予想はしていたけれど、この映画に出資してくれる企業や組織はなかなか見つからない。でもあきらめない。かつてない映画を撮る。絶対に実現します。そのために皆様のお力を貸してください」と支援を求めている。
企画は
森達也 コメント
関東大震災から五日が過ぎた1923年9月6日、千葉県東葛飾郡福田村の利根川沿いで、多くの人が殺された。多くの人が殺した。でもこの事件を知る人はほとんどいない。皆が目をそむけてきた。見て見ないふりをしてきた。惨劇が起きてから99年が過ぎたけれど、事実を知る人はもうほとんどいない。
450万年前に樹上から地上に降りてきた僕たちの祖先(ラミダス猿人)は、直立二足歩行を始めると同時に単独生活だったライフスタイルを集団生活へと変えた。つまり群れだ。なぜなら地上には天敵である大型肉食獣が多い。一人だと襲われたらひとたまりもない。でも集団なら天敵も簡単には襲ってこないし、迎撃できる可能性も高くなる。
こうしてヒトは群れる生きものになった。つまり社会性。だからこそこの地球でここまで繁栄した。でも群れには副作用がある。イワシやハトが典型だが、多くの個体がひとつの生きもののように動く。だってみんながてんでばらばらに動いていたら、群れは意味を失う。特に不安や恐怖を感じたとき、群れは同質であることを求めながら、異質なものを見つけて攻撃し排除しようとする。この場合の異質は、極論すれば何でもよい。髪や肌の色。国籍。民族。信仰。そして言葉。多数派は少数派を標的とする。こうして虐殺や戦争が起きる。悪意などないままに。善人が善人を殺す。人類の歴史はこの過ちの繰り返しだ。だからこそ知らなくてはならない。凝視しなくてはならない。だから撮る。僕は映画監督だ。それ以上でも以下でもない。ドキュメンタリーにはドキュメンタリーの強さがある。そしてドラマにはドラマの強さがある。区分けする意味も必要もない。映画を撮る。面白くて、鋭くて、豊かで、何よりも深い映画だ。
荒井晴彦、佐伯俊道、片嶋一貴、小林三四郎、井上淳一、心強い映画人たちが結集した。あとは撮るだけだ。でもそのためには資金が必要だ。ある程度の予想はしていたけれど、この映画に出資してくれる企業や組織はなかなか見つからない。でもあきらめない。かつてない映画を撮る。絶対に実現します。そのために皆様のお力を貸してください。ご協力よろしくお願いします。
河添 誠 KAWAZOE Makoto @kawazoemakoto
森達也が劇映画を監督、関東大震災直後の虐殺描いた「福田村事件」が支援者募集(コメントあり) https://t.co/v3h5l0dcAH