本作は千葉県船橋市立船橋高校で受け継がれている応援曲「市船soul」を作曲した実在の人物・浅野大義さんの物語。がんにより20歳でこの世を去った大義さんと市船吹奏楽部の絆が描かれる。映画では主人公・浅野大義を神尾、吹奏楽部顧問の高橋健一を佐藤浩市が演じた。
尾野が演じたのは、大義の母・浅野桂子。息子の闘病を最期まで明るく勇気付ける役どころについて、尾野は「実在する母というのはとてもやりにくいものです。ですが、とてもやりがいを感じました」とコメントし、「辛くさせるだろうとわかっていましたが家族の方に当時の事を質問し、撮影に挑みました。おかげさまで息子を全力で愛し、物語に向き合う事ができたように思います」と振り返った。
また、原作者であり本作の脚本も手がけた
ドラマ「陽はまた昇る」「就活家族~きっと、うまくいく~」の
尾野真千子 コメント
特別な母親役でした。
やはり実在する母というのはとてもやりにくいものです。ですが、とてもやりがいを感じました。
本当の話に失礼のないように、当時を思い出して辛くさせるだろうとわかっていましたが
家族の方に当時の事を質問し、撮影に挑みました。
おかげさまで息子を全力で愛し、物語に向き合う事ができたように思います。
中井由梨子 コメント
桂子さんに初めてお会いしたのは、二和向台の駅前でした。雨の中、傘をさして、近づいていく私に朗らかに「こんにちは」と挨拶をくださいました。
第一印象は、その朗らかな笑顔です。
息子さんを亡くされてまだ数か月。それなのに、取材でお話を伺っている間も、桂子さんは終始、笑顔と明るい声で話されていました。しかし何かの拍子に、ふっと瞳を潤ませる。
「ごめんなさい」と言いながらまた笑顔に戻る、小柄で可愛らしい方ですが、心の奥の芯のようなものがとても強く、それが普段の気丈さに現れているのだと思います。取材を始めて4年。今、桂子さんは私にとって、「20歳のソウル」上での関係を越え、本当の家族のように心の通じ合う大切な存在になっています。
尾野真千子さんが桂子さんの役をお引き受けくださったと聞いたときは、朗らかな明るい笑顔と笑い声、そして何よりさっぱりとした気丈な雰囲気が、桂子さんと強く共通していると感じました。
撮影現場で尾野さんと今回の役についてお話させていただいた時、「どのシーンを読んでも涙が出てくる」と仰っていました。その言葉通り、尾野さんはスクリーンの中で、笑顔の下に常に涙を湛えている桂子さんの繊細さを丁寧に汲み取りながら存在してくださいました。
この物語の中の“浅野桂子”という役は、私のフィクションも多く合わさっていますから、決して本物の桂子さんそのものではありません。しかし、この役を尾野真千子さんが体現してくださったことにより、逆に桂子さんが感じていたことがリアルに、ダイレクトに伝わっていると思います。
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