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緋村剣心の十字傷に秘められた真実が描かれる本作。人斬り抜刀斎と呼ばれていたかつての剣心を
佐藤は2018年11月に「
2019年2月18日、京都府内のある霊場で撮影されたのは、池田屋へ急ぐ剣心を沖田が足止めし、刃を交えるシーン。文明開化によって街灯が普及した明治の新時代を描くこれまでのシリーズと異なり、「The Beginning」では燭台文化の動乱の幕末が舞台となる。大友もルックの差別化は意識したそうで「ろうそくの炎が揺らめいている時代だから、暗いと言えば暗い。ただあくまで『るろ剣』らしさを出すために、暗闇にまで光を当ててディテールが見えるようにしています。どこへ撮影に行っても、大きい照明機器を用意しているんです」とこだわりを語った。
またこの現場では、ALEXAのカメラを2台用意。これまでのシリーズではRedのカメラを使用していたそうだが、本作では剣心と巴のビターなラブストーリーを描くために、シャープが控えめで甘い画に適したALEXAのカメラが採用された。プロデューサーの小岩井宏悦は「3カメ同時に回す日もあるので、日本中のカメラを僕らのチームが抱えているんじゃないかというくらいの状態です(笑)」とぜいたくな機材事情について述べた。
冷え込む冬の京都で、陽も落ちきった夜に撮影された同シーンは、全30カット構成。本編では5秒にも満たない1カットでもテイクを重ね、1時間以上かけて作り上げられた。大友とアクション監督の
侍のまげを結いハチマキを巻いた村上は、砂利ですべりやすい足元とワイヤーの力に苦戦しながらも、佐藤やアクション部に堂々と斬り込んでいく。落ち着いたトーンで放つ「池田屋に抜刀斎を行かせるわけにはいきません」というセリフをはじめ、ですます口調は原作者・
真っ黒な着物に暗めの髪色で、集中のあまり近寄りがたいほどのオーラを放つ佐藤。こけさせた頬には、メイクによって十字ではなく1本の傷が付けられた。佐藤はシリーズ1作目の制作時からこの「The Beginning」の物語を演じたいと切望していたそうで、作品に懸ける意気込みも一層強く、斬りかかる勢いは思わずスタントマンを倒してしまうほど。大友は佐藤について「彼も30歳(撮影当時)になって、剣心を演じるのに適した成熟期を迎えている。この役にチャレンジするのではなく、剣心として日々“現場で”生きているように思います。撮影を重ねるごとに、この映画をやるには今の佐藤健がちょうどよかったと、つくづくそのめぐり合わせの妙を感じますね。人斬り抜刀斎の頃の剣心は、人斬り家業に疲れ果て、心が病んでいるというか、どんよりとした時間を生きている。明治の頃の剣心のほうが若く見えていいと思うんです」と語り、「脚本段階から、剣心の心情についてのアイデアを交換し、この作品がどうあるべきかをよく話してきましたね」と信頼を明かす。また小岩井によると、佐藤は本作について「生涯の最高傑作になると思う」と話していたという。
「るろうに剣心 最終章 The Beginning」は6月4日に公開。「るろうに剣心 最終章 The Final」は一部を除く劇場で上映中だ。
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佐藤健「生涯の最高傑作に」、「るろ剣」“剛”の剣心VS“柔”の沖田、殺陣現場レポ #SmartNews https://t.co/xqtvH8AVsr