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本作は負け続きだが誰よりもボクシングを愛する男・瓜田を主人公に、リングで挑戦を続ける若者たちを描く青春映画。瓜田役の松山は、同じくボクサーを演じた東出と柄本の体作りに触れながら「2人ともすごい“やっちゃう”人だから。足を引っ張らないようにっていうのだけは思っていました」と正直に明かす。「東出くんは毎日家の鏡で自分の体を20秒ぐらい見てたんでしょ?」と松山に聞かれると、東出は「違う違う! 監督がインタビューで勝手に!」と勢いよく否定。吉田から「俺は“20分”って言ったんだよ」と訂正され、東出は再び「ないない!」と全力で打ち消した。
そんな東出は「僕もトレーニングでジムに行ったとき、片隅でシャドーしている人がいて。プロボクサーの方が練習に来ているのかと思ったら松山さんだったんです。すっかりジムの住人になられていました」と松山の役作りを称賛。柄本も「がんばってよかったなあと。(今まで)あまり体を使ったこともなく。がんばった結果をたくさんの人に観ていただけるのは本当にありがたいです」と溜め息まじりに述べ、安堵の気持ちをのぞかせる。
ヒロイン・千佳役の木村は「『どうやって減量してる?』『バンテージ何使ってる?』と楽しそうに話しているのが聞こえて、この人たち役者じゃないのかな?と思っていました(笑)」と男性陣ののめり込み具合を伝えた。瓜田が千佳の手にバンテージを巻くシーンは、瓜田の思いが感じられる切ない場面。松山が「どうしてもカメラを意識してしまうのもですけど、あの瞬間だけは本当に2人の世界になれた。やらしい意味ではなく、2人とも裸でいたというか。着ていたものを脱ぎ、邪魔なものが全部なくなった瞬間でした」と撮影を振り返ると、木村も「裸だったと思う!」と大きくうなずいた。
吉田は学生時代から現在までボクシングを続けており、本作のためにオリジナル脚本を執筆。「(劇中の)後楽園ホールでの試合シーンのために、という勢いで準備してきました」と明かす。しかし後楽園ホールでの撮影は満足いく結果となったものの、翌日はスタッフともども燃え尽きてしまったという。「スーパーマーケットの撮影でエキストラを集め忘れて、店内の客が0人になる事件が発生して(笑)。店を貸し切っていたんですけど、勘違いして入ってきたお客さんたちに『出演しませんか?』とお願いしました」と裏話を披露した。
最後に松山は「映画は自分の背中を押してくれたり、勇気をくれたりする存在。映画を観て救われる人がいると思いますし、自分も救われてきました。なかなか自由に生活できない状況ですけど、映画の力みたいなものを皆さんと共有していけたら」と語る。吉田は「ボクシング自体も好きになってもらいたい。後楽園ホールでは瓜田のモデルになったような、ドラマを背負った人たちが戦っています。ぜひ一度足を運んでみてください」と呼びかけたのち、「ボクシング協会の人みたいなことを言ってますね」と自ら苦笑した。
「BLUE/ブルー」は全国で公開中。
※吉田恵輔の「吉」は「つちよし」が正式表記
じろさん(じろともトン) @jirotomoton
プロボクサーかと思ったら…松山ケンイチの“ジムの住人”っぷりを東出昌大が明かす - 映画ナタリー
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