東出昌大が函館の街をただ走る…3年ぶり映画主演、佐藤泰志原作「草の響き」今秋公開

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東出昌大が主演を務めた「草の響き」が今秋公開される。「きみの鳥はうたえる」などで知られる作家・佐藤泰志の小説を「空の瞳とカタツムリ」の監督・斎藤久志が映画化した。

東出昌大

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1990年に41歳の若さでこの世を去った佐藤。これまで北海道・函館の映画館シネマアイリス代表・菅原和博によるプロデュースのもと、「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」「きみの鳥はうたえる」と映画が生み出されてきた。「草の響き」は1982年に発表された、佐藤の本格的な文壇デビュー作。映画は没後30年にあたる2020年の11月にクランクインし、このほど完成した。

東出は2018年公開「寝ても覚めても」以来、映画の主演は3年ぶり。本作では精神に失調をきたし、ふるさとである函館に妻と戻った男・工藤和雄を演じた。働くことができない工藤は、精神科に通いながら、晴れの日も雨の日も精神の治療のために函館の街を走り続ける。そんな彼が、路上で出会った若者と心を通わすようになり何かが変わり始めていく。

東出は「心を病んだ男がそれでも毎日走る理由は、きっと『良くなりたい』からだと思います。そして『良い』とは何なのか。羽毛のように柔らかい函館の西陽を受けながら、皆で作った映画です。楽しみに待っていてください」とコメント。またプロデューサーの菅原は、東出を主演に抜擢した経緯として「若かりし頃の佐藤泰志の分身のような男が、函館の街を1人黙々と走る。そのイメージを考えたときに、東出昌大さん以外に思いつかなかった」と説明している。

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(c)HAKODATE CINEMA IRIS

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