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本作はヤクザとして生きる道を選んだ1人の男と彼を取り巻く人々を、1999年、2005年、2019年という3つの時代にわたって描く物語。綾野が主人公の山本賢治を演じたほか、身寄りのない賢治に“家族”という居場所を与えた柴咲組組長・柴咲博に舘、賢治に憧れる木村翼に磯村、賢治の娘・彩に小宮山が扮している。この日の舞台挨拶は全国272館に生中継された。
周囲の反響を問われた綾野は「素直に『大傑作だ』と言われます。自分自身の集大成であることは間違いない。本当に最愛の作品」と反応。映画レビューサイトなどでも高評価を受けていることを伝えられると「客観的なお言葉を聞くと、自分たちの愛をちゃんと受け取ってもらえたんだという感覚になりました。『傑作』でも『心を打たれた』でも、受け取ってもらうことがすべて。皆さんから家族に会いに来てくれてる。今の時代にただフィットしたというだけじゃないものがある。映画という家族に愛された気がしています」と感慨を明かす。また舘も試写会に行った友人から「すごくよかった。泣いた」と報告を受けたという。
綾野は「継承」という映画のテーマにちなみ、「舘さんはしゃべらなくても、そのお背中、佇まいで物語を感じさせる。なんとなく自分たちが忘れていたことを、とても大事だなと思わせてくれる。それは磯村くんも継承してると思う」とコメント。さらに「今日着てるスーツは、舘さんのものを僕がいただきまして。そういう意味でも舘さんのスーツを継承してます。この門出に魂が宿って、ちゃんと立ってられるなと思います」と明かすと、舘は「僕が着てるより全然かっこいい。返してもらいたいなと思います」と笑みをこぼした。
「ヤクザと家族 The Family」で映画初出演を果たし、本日が初めての舞台挨拶という小宮山。「この映画から多くの人が家族の大切や温かさを感じていただければうれしいなと思っています」と緊張気味に挨拶すると、綾野は「僕の娘はなんの問題もないです。とても美しいですし、勝手にグッときてます」と父親役として誇らしげ。磯村は「賢兄と過ごしてきた時間は、僕が綾野剛さんと過ごしてきた時間。剛さんにすごい愛をもらった。本当に剛さんはチャーミング。後輩の僕が言うのもなんですけど、愛おしい兄貴です」と現場を振り返った。
「映画を誰に観てほしい?」という質問に綾野は「今一緒に仕事している作品のスタッフ、キャスト」と回答。「友人を友人に、仲間を仲間に紹介するみたいな。この世界に入ってまだまだですけど、そうやっていろんなものがシェアされて、蓄えられて、育まれていったんじゃないかと思うんです。ぜひ観てもらいたい」と続ける。同じ質問に、舘は「あまり皆さんの前では言いたくないですが……」と前置きしつつ、「亡くなった渡(哲也)さんに観てもらいたいなと思っております」と返答。「自信を付けてくれようと、いつも褒めてくれてたんですね。『ひろし、お前はいいな』ときっと言ってくれると思ってます。怒られるかもしれませんが」としみじみ語った。
最後に、綾野は同日公開の映画「花束みたいな恋をした」「名も無き世界のエンドロール」のタイトルを挙げながら「いろんな作品と手と手を合わせて、皆さんの心を華やかにできるようなエンタテインメントを、映画を届けたいと思っています。その思いをくんで劇場に来てくださり、本当に心から感謝申し上げます。いつか、皆さんに自分から会いに行きます。またお目にかかれる日を楽しみにしています」と呼びかけ、イベントの幕を下ろした。
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