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本作は、東京から故郷の富山に戻った主人公・結子が老人の遺影を撮る仕事を始め、被写体の思い出の場所を撮影地とする“おもいで写真”を通して成長していくさまを描くヒューマンドラマ。結子を深川、結子に遺影の仕事を持ち掛ける幼なじみ・星野を高良、ホームヘルパーの美咲を香里奈が演じたほか、吉行和子や古谷一行が出演している。
深川は「撮影していた頃には予想していなかった世の中になってしまいましたが、早く皆さんの感想を聞きたいです」と期待を口にする。主演を務めたことについては「プレッシャーがなかったと言ったら嘘になる」と吐露しつつ、「自分にとって得るものが大きな作品になるだろうなと思い、純粋に楽しみでした。(高良と香里奈は)先輩でもありお兄ちゃんお姉ちゃんでもあり。こうして挟まれると安心します」と話してほほえんだ。
熊澤のオリジナル脚本を映画化した本作。もともとは約9年前、熊澤が「遺影を『縁起でもない』という理由でなかなか撮らせてもらない。そうすると集合写真を引き伸ばして作ることになるので、ピントが甘い写真が多い」という新聞記事を読んだことが発端だという。高良や香里奈も、自分の祖父母の遺影がピンボケで残念だったと伝えて「脚本を読んで思うことが多かった」「生前のことを思い出したり温かい気持ちになった」と自身の経験を重ねていたことを振り返った。
登壇者たちの背後に設置されたパネルには、本作の撮影中に実際にカメラで撮った“おもいで写真”の数々が。高良は「深川さんが監督にしごかれる様子や、どんどん結子に近付いていく姿を近くで見ることができた。変化していく深川さんを見れたのはいい思い出です」と回想し、深川を恐縮させた。香里奈は「まいまいと川辺で撮った写真」と言って深川との2ショットを指差し、「自転車を押しながら結子と歩く長回しのシーンのときで。前にいるカメラとタイミングを合わせるのが大変だったんですけど、とてもいいシーンに仕上がっていたので思い出深いです」となつかしむ。
また熊澤は「この作品は結子が持つ“人を許せない”という気持ちがポイントで。誰もが持つ気持ちだと思うけど、なかなか消し去れないし、どうしても感情的になってしまう。それを主人公が受け入れて成長していく話を作りました」と説明。そのうえで「とても楽しい現場だったんですけど、深川さんの笑顔を禁止にしたんです。『深川さん今笑ってたよ』『笑っちゃ駄目だよ』と何十回も言いました。すみませんでした」と謝罪し、深川を思い切り笑わせた。
イベントでは自分の“おもいで写真”を披露するコーナーも展開され、キャスト陣が互いの幼少期の写真に顔をほころばせる場面も。そして深川が「この映画は結子の成長物語であり、家族愛や人間愛、いろいろな愛を描いた作品です。たくさんの方に観ていただきたいです」と呼びかけ、会見の幕を引いた。
「おもいで写眞」は1月29日より全国で公開。
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