第21回東京フィルメックスでの「
父親としての自覚を持てず、ある失態により妻と娘のいる秋田・男鹿から逃げ出した主人公・たすくが、過ちと向き合い成長する姿を描いた本作。たすくを
本作を作ったきっかけについて、佐藤は「20代後半を迎え、同級生たちが結婚して父親になっていく中で、自分も当たり前のようにそうなれると思っていたんですが、その未来がどんどん遠ざかっていく感じがあって。自分は父親になれるんだろうか、それはどういうきっかけなんだろうか、ということを映画の中で探したかった」と説明。約5年前にラストシーンは決まっていたそうで「3年ほど前に、分福で是枝裕和監督の助監督募集があったんです。志望動機のところにこのあらすじを書いたら『脚本を持ってきて』と言われました」と制作に至る経緯を語った。
映画はなまはげ文化のある男鹿市で撮影されている。秋田県秋田市出身の佐藤は「幼い頃に一度だけなまはげを体験したことがあります。友人の家だったんですが、僕はそのとき抱きつける大人がいなくて。友人は父親に泣いてすがっている中、僕は心細い思いをしたのがトラウマのように記憶に残っています」と振り返り「なまはげは子供を泣かせるイメージが強いと思いますが、父親が子供を守るという意味で、父親としての自覚を芽生えさせる機能もあるのだと感じました」と続けた。
本作の劇伴は
最後に佐藤は「初めて商業映画を撮らせていただきました。本当に恵まれた環境で、キャスト・スタッフの皆さんと全員で『今までにない映画を撮りたい』という思いで作った感覚があります。1人でも多くの方に観ていただけたら」と挨拶した。
「泣く子はいねぇが」は11月20日より東京・新宿ピカデリーほか全国でロードショー。第21回東京フィルメックスは11月7日まで有楽町朝日ホールほかで開催されている。
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