第33回東京国際映画祭の特別招待作品「
「サマーフィルムにのって」は、時代劇に夢中な高校3年生・ハダシが武士役として理想的な男子・凛太郎と出会い、仲間を巻き込んで映画制作に奮闘するさまを描くSF青春ストーリー。主人公ハダシ役の伊藤は「映画祭という憧れの場所にこんなに早く立ててうれしいです」と目を輝かせながら挨拶する。未来からやって来た謎の青年・凛太郎役の金子は「どうでしたか?」と観客に尋ね、大きな拍手が返ってくると「僕自身も自信作なので、このような反応をいただきうれしいです」とほほえんだ。
いわゆる“青春映画”の枠にとらわれず、SF要素も持ち合わせている本作。長編に初めて挑んだ松本は「劇中で作る映画のジャンルはロマンポルノとかも候補にあったのですが、『未来から主人公のファンがやって来る』という設定を思い付いたとき、主人公が時代劇オタクだったら矢印が過去に向かっていって面白いかもと考えて。そこから青春とSFという2大柱で進めていきました」と当初の構想を明かす。伊藤は「これを機にたくさん時代劇を観てみようと思った」と述べ、「色あせない、私の世代でも楽しめるエンタメが詰まっていて。だからハダシはこんなに惚れ込んだんだと思ったし、自分も“勝新(勝新太郎)”の『座頭市』シビれるなあという観方になってきました(笑)」と、いつの間にか自身も時代劇に夢中になっていることを伝えた。
劇中の設定は夏だが、撮影期間は「とにかく寒かった」と振り返る金子。「僕はずっと震えていましたが、伊藤さんは強くて。こんなに細いのに! 僕もがんばらなくちゃと思っていました」と打ち明け、“座長”の姿に奮い立たされたという。松本は「みんな寒がっていて申し訳なくて。『よーい! 7月!』と叫ぶと(夏の設定を)すぐに思い出してくれました」と役者陣の切り替えに感心したと話した。また現場では、撮影以外の時間も出演者同士で仲良く過ごしたようで、伊藤は「スクリーンにも映っているはず」と確信するが、金子は「僕(の役)は未来人なので、逆に『なじみすぎ』と注意されました」と苦笑した。
最後に、伊藤は「なかなか物作りの1歩が踏み出せない状況が続いている今、この映画を観て、自分も何かやってみようと思ったり、少しでも明るい気持ちになって『映画って素晴らしい』と思っていただけたらうれしいです」とメッセージを伝えた。
「サマーフィルムにのって」は2021年に全国公開。
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伊藤万理華が時代劇に開眼「勝新シビれる」、金子大地は未来人なのになじみすぎ反省(写真11枚) https://t.co/Wev9HYHLHA
「街の上で」と並んで2021年とても楽しみにしている作品。