原一男「れいわ一揆」新公開日は9月11日「党の激震がもろに作品を揺さぶった」

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原一男が監督を務めたドキュメンタリー「れいわ一揆」の新たな公開日が9月11日に決定。予告編がYouTubeで解禁された。

「れいわ一揆」

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当初4月17日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期していた本作。「ゆきゆきて、神軍」で知られる原が令和元年の夏、参議院選で注目された“れいわ新選組”の選挙戦に密着した。

「れいわ一揆」ビジュアル

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原はコロナ禍の数カ月を「山本太郎代表の都知事選出馬、大西恒樹の『命の選別』発言、野原善正の離党問題、『れいわ一揆』は決してれいわ新選組のPR映画ではないが、それでも党の激震が、もろに作品を揺さぶった」と振り返る。そして「何という不幸な作品だ、とこの激震を呪った」と述べつつも「待てよ、と思い直した。この激震の荒波をくぐって上映されるわけだから、より深く作品の意義を問われるだろうが、それは作品にとって意味あることだ、と。ドキュメンタリーの意義は、問題提起にある、と信じている私にとっては、この作品から、どんな問題意識を汲み取ってくれるだろうか?と楽しみにしている」と期待を込めて語った。

また原は本作のメイン館を運営するUPLINKの代表・浅井隆によるパワハラ問題にも言及。別の企画でかねてから関わりを持っていた劇場支配人・石井雅之への“同志的な心情”を明かしつつ、「パワハラ問題を起こした人が代表の劇場で上映することはどういうことかと製作者側が懸念し、上映館を変更した、という話も聞く。が私は、アップリンクで上映してもらう、という方針を変えようという気持ちは全くなかった。あくまでも石井支配人との同志的な心情が揺らぐことはない、と思っているからである。現在、彼がアップリンクの社内改善に向けて社員として苦辛していると思う。その変革が自社に止まらず、今後のミニシアターへのモデルケースになればという心意気も持ち合わせていると信じたいし、今後も、同志的な思いで応援していきたい」と述べている。

「れいわ一揆」は東京・UPLINK渋谷ほか全国で順次ロードショー。またアナーキスト・奥崎謙三の生誕100周年を記念し「ゆきゆきて、神軍」が本日8月14日よりUPLINK吉祥寺ほかで上映される。

原一男 コメント

再公開に向けて

「れいわ一揆」は、今年の4月17日に公開されるはずだった。いよいよ公開だ、とスタッフ共々、張り切って大車輪で準備作業をしていた。その矢先だった。劇場からコロナ禍のため、休業に入る、との知らせ。もしかしたら…と予測はしていた。が実際に上映が延期になったことがわかったときには、一気に全身の力が抜けた。我が映画生活50年で、初めてことだった。それからの時間が長かった。できることはやっておこう、と互いに言いつつも力が出てこない。3ヶ月経った頃、少しずつ劇場が再開に向けて動き出した。「れいわ一揆」は、いつプログラムするか、と劇場側と交渉を何度も何度も続けた。劇場も、上映するはずだった作品が溜まっていて、それらも含めてのプログラムを組まなければならないので大変だ。
さて、再公開が9月11日と決まった。が率直に言って、我が映画関連でいうと、山本太郎代表の都知事選出馬、大西恒樹の「命の選別」発言、野原善正の離党問題、「れいわ一揆」は決してれいわ新選組のPR映画ではないが、それでも党の激震が、もろに作品を揺さぶった。「れいわ一揆」は何という不幸な作品だ、とこの激震を呪った。が、待てよ、と思い直した。この激震の荒波をくぐって上映されるわけだから、より深く作品の意義を問われるだろうが、それは作品にとって意味あることだ、と。
ドキュメンタリーの意義は、問題提起にある、と信じている私にとっては、この作品から、どんな問題意識を汲み取ってくれるだろうか?と楽しみにしている。

「アップリンク」について

完成して、作った私たちの思惑をはるかに超えて大きな話題になっていた「ゆきゆきて、神軍」。どこの劇場が上映してくれるだろうか?
と思案を始めた当初から、ユーロスペースの堀越謙三は親身になってアドバイスをしてくれた。紆余曲折あったが、どんなことがあってもウチでは上映するからね、と早くから宣言してくれていた堀越謙三に托することを決意。堀越謙三に同志的な心情を感じたからだ。
自主製作のドキュメンタリーをミニシアターで上映する、という流れは、それまでなかったのだ。だから堀越謙三が「神軍」をユーロスペースで上映するということは彼にとっても冒険だっただろうと思う。結果、見事に大ヒット。以後、全国のミニシアターが、自主製作のドキュメンタリーが商売になる、と劇場主たちの認識を変えた。「神軍」は、先鞭をつけたわけだ。
以後、作品が完成して、この作品はどこの劇場で上映してもらおうか?を決める時、作品を気に入ってくれたか?が判断の基準になるのは当然だが、私が重視するのは、同志的な心情を感じることがきるかどうか、が決め手になる。
「れいわ一揆」が完成して、私たちが候補の劇場を探し始めた時に、その一番手に選んだのは、アップリンクだった。正確にいうと、石井支配人だった。彼は、実は《夏の神軍祭り》など私たちの企画を持ち込んで受け入れてくれた、という信頼感があったからだ。
そんな時に浅井隆代表の「パワハラ問題」がおきた。パワハラ問題自体は、私にはとても他人事とは思えなかったから関心は持ち続けている。が、パワハラ問題を起こした人が代表の劇場で上映することはどういうことかと製作者側が懸念し、上映館を変更した、という話も聞く。が私は、アップリンクで上映してもらう、という方針を変えようという気持ちは全くなかった。あくまでも石井支配人との同志的な心情が揺らぐことはない、と思っているからである。現在、彼がアップリンクの社内改善に向けて社員として苦辛していると思う。その変革が自社に止まらず、今後のミニシアターへのモデルケースになればという心意気も持ち合わせていると信じたいし、今後も、同志的な思いで応援していきたい。

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