敗戦の鬼が降りてきた、原一男のドキュメンタリー「ゆきゆきて、神軍」特別版予告

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原一男が監督したドキュメンタリー「ゆきゆきて、神軍」の“夏の神軍祭り”特別版予告がYouTubeで公開に。加えて原らのコメントが到着した。

「ゆきゆきて、神軍」奥崎謙三生誕100周年記念ビジュアル

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「ゆきゆきて、神軍」は、アナーキスト・奥崎謙三がニューギニア戦線で起きたある疑惑の真相を探るべく、当時の上官を訪ね歩く姿を追った作品。戦後75年を迎え、奥崎の生誕100周年となる2020年に開催される「夏の神軍祭り」では、全国のミニシアターで原によるオンラインも含めた舞台挨拶が予定されている。

解禁された予告には、奥崎が宣伝カーに乗って移動する様子や警察に怒声を浴びせるさまが捉えられた。また、男と取っ組み合う姿も。

奥崎から本作のパート2を作るよう説得されるも、それを断ったという原。「だが奥崎さんの死後10年以上経った今となって、あの時、『はい。パート2を作りましょう』と答えていたら、奥崎謙三は、今の汚濁と腐敗に満ち満ちた世の中に対して風穴を開けるようなアクションを仕掛けただろうか?と夢想することがある」とコメントしている。上映劇場の1つである愛知・名古屋シネマテークの仁藤由美は「戦争を知らないオレたちに、生ける亡霊が降りてきた。奥崎という名の敗戦の鬼が」とつづった。そのほか上映劇場関係者のコメントは下記の通り。

「ゆきゆきて、神軍」は8月14日より東京・UPLINK吉祥寺ほか全国で順次上映。

仁藤由美(名古屋シネマテーク)コメント

戦争を知らないオレたちに、生ける亡霊が降りてきた。奥崎という名の敗戦の鬼が。

林未来(元町映画館)コメント

受け容れられることが“正しさ”だと思っている社会に、奥崎謙三の“正義”が強烈な一撃で揺さぶりをかける。

小坂誠(第七藝術劇場 / シアターセブン)コメント

健忘症のわたしたちは、折に触れて「神軍」を見返す必要がある。過剰なる “人間” を思い出すために。

宮嵜善文(NPOコミュニティシネマ松本CINEMAセレクト 理事長)コメント

「ゆきゆきて、神軍」を松本で上映した「中劇シネサロン」(2004年閉館)のオーナ-の藤本さんは、東京の劇場に観に行き、奥崎さんの手配で妻シズミさんの命日に観客に配られた「神軍饅頭」の空箱を未だに大切に持っています。
興行は映画人生で相当インパクトあったようです。

原一男 コメント

「ゆきゆきて、神軍」の完成前から「神軍パート2」を作って欲しい、と私を説得しようとかかっていた奥崎さん。「神軍」のラストで元中隊長の息子さんに銃を発砲して重傷を負わせた奥崎さんのこと。パート2を作ったら、もっと大きな事件を奥崎さんは起こすことになるだろうと予感した私は、首を縦に降らなかった。
だが奥崎さんの死後10年以上経った今となって、あの時、「はい。パート2を作りましょう」と答えていたら、奥崎謙三は、今の汚濁と腐敗に満ち満ちた世の中に対して風穴を開けるようなアクションを仕掛けただろうか?
と夢想することがある。

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