「鉱 ARAGANE」で知られる
本作はユカタン半島北部に点在する洞窟内の泉“セノーテ”を巡るドキュメンタリー。セノーテはマヤ文明の時代、生活用水の源であり、生贄が捧げられた神聖な場所であった。現在もマヤにルーツを持つ人々が近辺に暮らしており、泉は現世と黄泉を結ぶ場所と信じられている。
小田は自らダイビングを学び、2年ほどのリサーチを経て、セノーテの水中撮影に挑戦。8mmフィルムカメラやiPhoneの映像などを駆使し、マヤの人たちによって伝えられてきた言葉の数々を引用しながら、人々の集団的記憶や原風景を立ち上げた。
東京・K's cinemaでの公開は当初予定していた6月から、新型コロナウイルスの影響で9月19日に延期。同館では小田のデビュー中編「ノイズが言うには」、日本未公開作「あの優しさへ」などをラインナップした特集上映も行われる。蓮實重彦と
蓮實重彦 コメント
生け贄として何人もの少女が投げこまれたという神話的な泉の底を、一瞬も動くことをやめぬキャメラが奥深くまで探ってみても、彼岸への通路かもしれない薄ぐらい拡がりが見えてくるばかりだ。
その緩やかなリズムを不意に立ちきる固定キャメラが、えもいわれぬほど素晴らしい何人もの男女の顔を画面に浮きあがらせる。この転調をもっと見てみたい。
まぎれもない傑作なのだから。
坂本龍一 コメント
500年前に葬られたマヤ文明の洞窟湖から、人々の苦難の声が聞こえてくる。
前作「鉱 ARAGANE」をしのぐ傑作「セノーテ」、ぜひ多くの人に観てほしい。
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現世と黄泉を結ぶ泉セノーテを巡るドキュメンタリー予告、蓮實重彦と坂本龍一が推薦(コメントあり)
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