本日3月16日に67歳の誕生日を迎えた
死期を悟り、世界遺産の町として知られるポルトガル・シントラを訪れた女優フランキーの姿を描いた本作。ある夏の終わりの1日、早朝から日が沈む夕景までのごく短い時間の物語がつづられる。「人生は小説よりも奇なり」で知られる
ヨーロッパを代表する女優のフランキーは、シントラに家族や友人を呼び寄せ、最愛の人々との時間を過ごす。写真には、息子ポールとのひと時や仕事関係で唯一の友人と言えるメイクアップアーティスト・アイリーンとの再会などが切り取られている。
「人生は小説よりも奇なり」に惚れ込んだユペールがラブコールを送り、サックスが彼女のために脚本を書き下ろした本作。主人公を女優にした理由について、サックスは「映画のキャスティングは俳優ではなく人間を選ぶもの、といつも考えている。だからイザベルを女優のキャラクターとして描くのは、とても自然なことだよ」と明かす。
ユペールはサックスの演出に関して「彼は“ポイントゼロの演技”、つまりその場の状況に応じた行動だけで演じることを求めた。可能な限りシンプルなものが要求されたから、余分なものはすべて排除したわ。だから私はただそこにいるだけ。ときどき胸の中でつぶやいたわ。『どうか観客に映画の中の私がちゃんと見えていますように!』って」と述懐。サックスは「イザベルは演じ方を知っているのに、驚くほど芝居くさくならない。さりげないしぐさに意味を持たせる方法を熟知している」と賛辞を贈った。
1日の物語のため、フランキーが着る服はたったの2種類。ユペールはこれらの衣装について「画面に映し出されたとたんに強い印象を残さなければならなかった。紫とオレンジ。映画で映えるこの2色に、とても惹きつけられたわ。冷たくて強くて、印象に残る色。私はフランキーの小ぶりのスカーフと体に沿うデニムのジャケット、それにハイヒールをとても気に入った。森を歩くフランキーにもろさを与えてくれたからよ」と語っている。
「ポルトガル、夏の終わり」は4月24日より東京のBunkamura ル・シネマほか全国で順次ロードショー。
※「ポルトガル、夏の終わり」は、新型コロナウイルスによる感染症の拡大を受けて公開延期となりました。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
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イザベル・ユペールが67歳に、主演作「ポルトガル、夏の終わり」の芝居を語る
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