本作は29歳でこの世を去った人気俳優ジョン・F・ドノヴァンの死の真相が、彼と11歳の少年ルパートが交わしていた“秘密の文通”から明かされていく物語。ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の
チャステインが演じたのは、スターであるジョンと少年ルパートの文通をスキャンダルとして報じたゴシップ誌の編集長だ。映像はジョンが編集部に乗り込んでいく様子をスローモーションで捉えた場面となっている。もともと4時間あったという本編を短くするに当たり、ドランが泣く泣くカットしたシーンだそう。
カットの経緯について、ドランは「もともとは“ヒーローと悪”のような構図を考えていたから、彼女はスターを苦しめる存在として出演してもらった。でも4時間の本編を短くする必要があり、彼女が出演したシーンや役柄自体をカットすることにしたんだ。ショービジネス界が舞台でありながら、話の核になっているのは母と息子の関係、少年時代の夢についてだからね」とコメント。さらに「とはいえ、初期段階からこのプロジェクトに関わってくれていたジェシカのシーンをカットするのは難しい決断だった。でも彼女は才能もあると同時にとても賢い人。きちんと説明し広い心で理解をしてくれた。いつかまた彼女とは映画を作りたいと思っているよ」と続けている。
構想に5年、撮影に2年という長い時間を掛けて制作された本作。ドランは「僕は駆け足で映画を作るタイプ。でもこの映画は撮影にじっくり2年も時間を掛けたことによって、映画作りの新しい側面を学ぶことができた。苦しい時期もあったけど、何よりこれまでとは違う方法を発見できたのは新鮮だった。それだけ今回は僕にとって特別な作品なんだ」と思い入れを明かしている。
「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」は、3月13日より東京・新宿ピカデリーほか全国でロードショー。
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