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共通点は“子供”、細田守と「レ・ミゼラブル」監督ラジ・リが語り合う

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左からスティーヴ・ティアンチュー、ラジ・リ、細田守。

左からスティーヴ・ティアンチュー、ラジ・リ、細田守。

フランス映画「レ・ミゼラブル」の試写会が本日2月17日に東京・スペースFS汐留で行われ、監督のラジ・リとゲストの細田守が登壇した。

移民が多く住むパリ郊外のモンフェルメイユを舞台にした本作。犯罪防止班に配属された新人警官ステファンが、少年が引き起こしたささいな出来事をきっかけに、大きな騒動へと巻き込まれていくさまを描く。

第72回カンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた本作に、以前から注目していたという細田。「去年、釜山国際映画祭で観れると思ったら全然チケットが取れなくて。当日映画館の前でキャンセル待ちをしたんですが、それでも観れなかったんです(笑)。日本でやっと観ることができました。素晴らしかったです」と賛辞を贈られたラジ・リは、「僕らは日本のテレビアニメで育ってきています。日本アニメの巨匠である細田監督の隣に立つことができて光栄です」とほほえんだ。

これまで子供が登場する映画を多く手がけてきた細田は、「僕の作品と本作に共通するのが、子供が鍵を握っているところ。子供たちが社会の変化をどう思っているのか、これだけ描いた作品はなかなかない」と指摘。これにラジ・リは、「僕自身もモンフェルメイユで育ってきました。あのような場所の中で最初の犠牲者となるのは、やはり子供たちなんです。ですから子供を前面にフィーチャーすることは決めていました」と答える。細田は「本当にその場所に生きている存在感がありました。また、彼らが大きくなったときに今の社会問題はどうなっているのかを考えさせられる存在として重要でした」と返した。

第92回アカデミー賞国際長編映画賞にもノミネートされ、世界中から注目が集まった本作。ラジ・リは「この映画は約50カ国で公開されることが決まっていますが、地域の住民たちとともに作った映画が、世界中の人々に『これは自分たちの問題だ』と認識してもらえる。そういう普遍性を持っている作品だと思います」と語る。またフランス国内での反響について「老若男女、社会階級の垣根を超えて観てもらえています。この作品を通して現実に起こっていることに目が向き、映画が扱っているテーマの議論が一歩前進するのではないかと思っています」と述べた。

フォトセッションには、本作に市長役で出演したスティーヴ・ティアンチューも登場。ティアンチューは「なかなかこのような映画はフランス映画界の中では存在しにくいんです。そんな作品がフランスで公開できて、ヒットを飛ばし、日本の皆さんにも観ていただける。大勝利だなと誇りに思っています」と観客に喜びを伝えた。

「レ・ミゼラブル」は2月28日から東京・新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国でロードショー。

(c)SRAB FILMS LYLY FILMS RECTANGLE PRODUCTIONS

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