「パラサイト」ポン・ジュノとソン・ガンホ、次回作は「梅雨時の男」?吉沢亮の歓迎も

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パラサイト 半地下の家族」の舞台挨拶付きプレミア上映が、本日12月27日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、来日中である主演のソン・ガンホと監督のポン・ジュノ、そしてシークレットゲストの吉沢亮が登壇した。

左からポン・ジュノ、吉沢亮、ソン・ガンホ。

左からポン・ジュノ、吉沢亮、ソン・ガンホ。

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ポン・ジュノ

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第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞したほか、第77回ゴールデングローブ賞映画部門の監督賞、脚本賞、外国語映画賞にノミネートされている本作。劇中では、全員失業中の貧しい一家とIT企業社長の裕福な一家が出会い、想像を遥かに超える事態が起こるさまを描き出す。

ソン・ガンホ

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「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」に続き、4回目のタッグを組んだソン・ガンホとポン・ジュノ。舞台挨拶では、まず2人でステージに上がった。鑑賞を終えた観客へ、ポン・ジュノは「まだ映画を観ていない方がたくさんいるので、外に出たら後半の展開については絶対にお話しないでください」とネタバレ防止を呼びかける。ソン・ガンホは「チェ・ウシクさんは、僕よりも出演量がちょっと多いので『自分が主人公だ』と言い張っているのですが、本当の主人公は僕だということをぜひ大勢に知らせてください」と話し、笑いを起こした。

左からポン・ジュノ、ソン・ガンホ。

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本作のテーマについて、ポン・ジュノは「実際の生活では、裕福な人と貧しい人が出会う場面はあまりありません。この映画の中では、お互いの匂いが嗅げるほどの距離に近付けてみたいと思っていました」と語る。さらに自身が大学生の頃に裕福な家の子供の家庭教師をしていたこと、その仕事を2カ月でクビになったことなどを明かした。

ソン・ガンホは撮影を振り返り「終わってみて思ったのは、これからは雨のシーンのある映画や、階段での撮影がある映画には決して出まいということです(笑)」と苦労を告白。続けて「監督は次の作品のシナリオもくれると言っているのですが、そのタイトルは『梅雨時の男』だそうです……」とわざと悲しそうに話す。さらにポン・ジュノの才能について聞かれると「監督とは20年来一緒に仕事をしていますが、社会に向ける鋭いまなざしがどんどん発展していると思う。これからも、より広く深くなった監督の世界をぜひ見届けたい。次の作品が『梅雨時の男』でなければぜひ出演したいと思っています」とジョークを交えて語った。

左からポン・ジュノ、ソン・ガンホ。

左からポン・ジュノ、ソン・ガンホ。[拡大]

本作はアカデミー賞ノミネートも期待されているが、ポン・ジュノは「オスカーについては、本当にわからない。トロント国際映画祭で是枝裕和監督にお会いしたのですが、彼も前回パルムドールを獲ったあとにオスカーにノミネートされていて、今の私と同じ状況。彼に『今年1年は忙しくなると思うよ、がんばってね』と言ってもらえてうれしかったです」とコメント。さらに「万が一『パラサイト』がオスカーにノミネートされた暁には、ぜひもう一度観に来てください」と観客にアピールした。

緊張気味にポン・ジュノの話を聞く吉沢亮。

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ここで、ポン・ジュノ作品のファンである吉沢が、花束を持ってサプライズ登壇した。自身のカレンダーで「母なる証明」にオマージュを捧げたこともある吉沢は「お母さんの格好をして、草原でフラフラして撮りました」とポン・ジュノを笑わせる。「パラサイト」の感想を聞かれると、緊張気味に「ここ何年かで観た中でも一番。圧倒的なエンタメ感のある映画」と述べた。そんな彼を見て、ポン・ジュノは「彼の映画評によって、実際よりもいい映画に思えます(笑)。ところで、ご自身がイケメンだって気付いたのはいつ? 本当にかっこいいですね」と質問する。吉沢が「小学5年生です」ときっぱり答えると、ポン・ジュノは「なんで4年生まで気付かなかったの?」と驚いていた。

左から吉沢亮、ポン・ジュノ。

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ポン・ジュノは、吉沢の出演作「リバーズ・エッジ」を観ていたそうで「行定勲監督と親しくしているので鑑賞しました。素敵な“青春”を演じていましたね」と彼の演技を評価。また「パラサイト」劇中の水を使ったある場面が好きだという吉沢が「娘がタバコを吸っているシーンが好きでした。どうやって撮ったのですか?」と質問すると、ポン・ジュノは「あの家や周囲は、ウォータータンクの中にセットを作っているんです。水は汚水に見えますが、肌にいい泥のパックを使って色を出していました」と説明する。ソン・ガンホは「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「復讐者に憐れみを」といった出演作を挙げ「僕は以前から水と縁があるんです。もう水にはうんざりしています。でもポン・ジュノ監督は水が与える印象を大事にしているし、水によって偉大な感情を作り出しています。だから今は水を愛するようになりました」と笑った。

パネルを片付けながら退場するポン・ジュノ(左)とソン・ガンホ(右)。

パネルを片付けながら退場するポン・ジュノ(左)とソン・ガンホ(右)。[拡大]

「パラサイト 半地下の家族」は、本日12月27日から1月9日まで東京・TOHOシネマズ 日比谷と大阪・TOHOシネマズ 梅田で先行上映。その後、1月10日より全国公開される。

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tAk @mifu75

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