ベトナム映画「
本作は19世紀の北ベトナムの山間部を舞台に、大地主の第3夫人として14歳で嫁いできたメイを主人公とする物語。世継ぎとなる男児を産んだ穏やかな第1夫人、3人の娘を持つ魅惑的な第2夫人、そしてメイを取り巻く愛憎、悲しみ、希望を官能的に描き出す。グエン・フオン・チャー・ミーがメイを演じたほか、「青いパパイヤの香り」のトラン・ヌー・イエン・ケー、マイ・トゥー・フオン(Maya)、「夏至」のグエン・ニュー・クインらが出演した。
今回、“陰翳”を生かして撮影された新カットが公開に。監督の
「ここは退屈迎えに来て」で知られる作家の山内マリコは、「うっとりするようなキャンディカラーでコーティングされた、家父長制の闇。少女は最初、その世界に順応する。わたしたちみたいに」とコメント。マンガ家の
「第三夫人と髪飾り」は、10月11日より東京のBunkamura ル・シネマほか全国で順次ロードショー。
※「第三夫人と髪飾り」はR15+指定作品
上野千鶴子(社会学者)コメント
物語のモデルとなった監督の曾祖母の時代から、わずか四世代で女は激変した。
アッシュ・メイフェアには、まだまだ掘り尽くせない
家族と民族の歴史が、宝庫のようにあるだろう。
山内マリコ(作家)コメント
うっとりするようなキャンディカラーでコーティングされた、家父長制の闇。
少女は最初、その世界に順応する。わたしたちみたいに。
だけど、なにも感じてないわけじゃないよ?
玉川奈々福(浪曲師)コメント
花の香。水の匂い。月あかり。蚕の身もだえ……生命の色気にむせ返る。
運命に囲われた女たちの、運命との決別の瞬間に、息をのむ。
フィフィ(タレント)コメント
14歳で第三夫人として嫁いだ少女が
大人の女になっていく様を静かに、官能的に描いた作品。
19世紀のベトナムを舞台に一夫多妻の中で生きる女性たちの姿に、
私たちは何を想うだろう。そして、
東洋の美しすぎる風景に引き込まれていく。
辛酸なめ子(マンガ家・コラムニスト)コメント
これは、私たちのDNAに刻まれた、世界共通の先祖たちの物語。
女性たちの声なき思い、そして脈々と受け継がれる本能のエロスを受け止め、
人生の重みが増したようです。
シトウレイ(フォトグラファー・ジャーナリスト)コメント
豊かで淡く柔らかく、透徹な世界観に包まれ表現されているものは、
女性の「性」のリアリティ、同時にそのままならなさ。
映像世界に表現されたメタファーの、そのセンスに感動しました。
せきねきょうこ(ホテルジャーナリスト)コメント
19世紀の北ベトナムを舞台に女たちの運命的な人生が情緒豊かに描かれています。
言葉数少ない美しい描写にはとにかく五感を研ぎ澄まして見入りました。
wasinton @08240037
谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」に影響受けた「第三夫人と髪飾り」新カット公開(コメントあり) - 映画ナタリー https://t.co/aYBvV49Ms0