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19世紀、北ベトナムの山間部を舞台に、大地主の第3夫人として14歳で嫁いできたメイを主人公にした本作。世継ぎとなる男児を産んだ穏やかな第1夫人、3人の娘を持つ魅惑的な第2夫人、そしてメイを取り巻く愛憎、悲しみ、希望を官能的に描き出す。
本作はベトナムでの公開後4日で上映中止となった。東南アジア諸国では官能的な表現への規制が厳しい傾向にある中、メイフェアは自国での上映を切望し、審査を通過させて公開の許可を得ている。しかし公開後、14歳の少女が3番目の妻としてやってくるという内容と官能描写が物議を醸し、観客による誹謗中傷がインターネット上で飛び交った。メイを演じた
映画の完成に5年の歳月をかけたメイフェアは「この物語、そして映画の必要性と美しさを信じてくれている人たちのそばに立てていることは誇りです」と述懐。そして「映画に登場する女性たちの一人一人は私の愛する家族を下敷きにしているものです」と説明し、「私はリスクを承知のうえで、ベトナムでこの映画を公開することを決めました。なぜならば今も健在の私の祖父母に、この映画を通して彼らの歴史を見てほしかったからです」「ベトナムの暗い歴史の一部であってもベトナムの美しさを見せたかった。それは私が誇りと思っていることなのです。挑戦にはいつでも希望があります」と意見を表明している。
「第三夫人と髪飾り」は、10月11日より東京のBunkamura ル・シネマほか全国で順次ロードショー。
※「第三夫人と髪飾り」はR15+指定作品
アッシュ・メイフェア コメント
私は「第三夫人と髪飾り」の脚本家であり監督であることを誇りに思っています。
キャスト、スタッフの代弁者であることは光栄であり、映画製作の方面から、
またベトナム国内、海外からの一般の方々のサポートをいただき、とても心打たれています。
アート系の外国映画を観客に向けて配給することが大変な努力を要する挑戦である状況で、
この物語、そして映画の必要性と美しさを信じてくれている人たちのそばに立てていることは誇りです。
映画の完成までに5年の歳月と愛情をかけてきました。
映画に登場する女性たちの一人一人は私の愛する家族を下敷きにしているものです。
キャストとスタッフとは明確で誠実なコミュニケーションをもって製作をしてきたことは紛れもない事実です。
現場の中でも外でも法を順守してきました。主演女優と彼女の母親は映画を支えてくれ、
ベトナムの特定の報道機関の中傷記事に対し、公的にコメントをしてくれました。
私はリスクを承知のうえで、ベトナムでこの映画を公開することを決めました。
なぜならば今も健在の私の祖父母に、この映画を通して彼らの歴史を見てほしかったからです。
ベトナムの女性の声を世界に知ってほしかった。
私のようなアーティストたちは、若い女性たちが自身の力を信じ、尊べるようにと日々活動しています。
ベトナムの暗い歴史の一部であってもベトナムの美しさを見せたかった。
それは私が誇りと思っていることなのです。挑戦にはいつでも希望があります。
本作はベトナムで検閲済みで、正式な上映許可を得ているにも関わらず、
我々は数日の興行の後に映画を引き上げることを選びました。
グエン・フオン・チャー・ミーとその家族をいくつかの否定的な報道によって生じた炎上から守る必要がありました。
私はもうベトナムの上映とは決別しました。
悲しいことですが感謝の気持ちもあります。たった4日間の上映で4万人の観客が見てくれたばかりか、
今回の結末は芸術と美の死であると映画関係者の皆さんが憤りを表明してくれたことは限りなく光栄なことです。
私は世界に芸術、美を知ってほしかった。
このミッションのために私は映画を作り続け、真実は必ず勝つと思っています。
私にできることを、いつでも、私が生きている限りやり続けていくだけです。
アッシュ・メイフェアの映画作品
リンク
- 「第三夫人と髪飾り」公式サイト
- 映画「第三夫人と髪飾り」予告編
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
Naoya Sakagawa @sakagan
ベトナム映画「第三夫人と髪飾り」、自国での上映中止に監督がコメント発表(コメントあり)
「「第三夫人と髪飾り」が製作国ベトナムで上映中止となったことについて、監督のアッシュ・メイフェアがコメントを発表した。」
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