映画ナタリー - 最新映画ニュースを日々配信

「タロウのバカ」熊切和嘉、坂井真紀、瀬々敬久、真木よう子、山戸結希らがコメント

609

YOSHI菅田将暉、仲野太賀が共演する「タロウのバカ」より、熊切和嘉坂井真紀瀬々敬久真木よう子山戸結希らによる著名人コメントが公開された。

戸籍もなく、一度も学校に通ったことがない少年タロウと、彼に出会った高校生2人の姿を描いた本作。3人の先の見えない日々と消えることのない青春の輝きがつづられる。YOSHIがタロウ、菅田が衝動的なエージ、仲野が理性的で臆病なスギオを演じている。大森立嗣が監督を務めた。

熊切は「美しい国づくりから除外された、寄る辺なき者たちの叫び。あがいてもあがいても、高架で囲まれたこのちっぽけな世界からは抜け出せない。胸キュンやお涙頂戴とは無縁の、異形の青春映画」とコメント。

大森監督作「さよなら渓谷」で主演を務めた真木は「エージに憧れ、タロウに希望を持ち、スギオの混沌の中で生きている。三者は完璧な配役をされていて、劇中で彼等が『とぶ』事を望んでしまう。私にとっては、映画史に残る名作となった」と称賛している。

そのほか美術家の会田誠、マンガ家の新井英樹、芸人で俳優の板尾創路、作家の角田光代、写真家の操上和美、社会学者の宮台真司ZAZEN BOYS向井秀徳によるコメントも下記に掲載した。

「タロウのバカ」は、9月6日より東京・テアトル新宿ほか全国ロードショー。

会田誠(美術家)コメント

日本の時代状況に対する監督の危機感と怒りに満ちた、気合いの入った映画。
良い意味ですが、かなり精神にダメージを食らいました。心して観ましょう。

新井英樹(マンガ家)コメント

この世界に居場所のなくなった
言葉にならない「感じたい」が
愛おしく必死に人間の姿で叫んでた!

板尾創路(130R / 俳優)コメント

少年達はライオンのように乱暴であるが
純粋で嘘はひとつもついてない。
フィクションでありながら大人は責任を感じ、胸が痛いだろう。

角田光代(作家)コメント

世のなかの、わけのわからないことにすべて名前をつけたら、
生きていくのはこわくなくなるのかな。
世界は私のものだと思えるのかな。
──そんなはずないじゃん、とタロウに笑われた気分。

熊切和嘉(映画監督)コメント

美しい国づくりから除外された、寄る辺なき者たちの叫び。
あがいてもあがいても、高架で囲まれた
このちっぽけな世界からは抜け出せない。
胸キュンやお涙頂戴とは無縁の、異形の青春映画。

操上和美(写真家)コメント

希望も絶望もなく、
ひたすら時の狭間を疾走する
少年たちの輝きが網膜に
焼きついて──離れない。

坂井真紀(女優)コメント

どこかの知らない誰かでなく、
「わたしたち」を見せつけられたような気がしました。
心が苦しくなりました。悲しくなりました。
「わたしたち」が憎たらしくて、愛おしくなりました。
「わたしたち」を諦めたくないと優しい気持ちになりました。

瀬々敬久(映画監督)コメント

全てが今この瞬間に起こっていて、生きてるそのもののような連続。
いちばん最初の映画だ、そう思った。
だって、これは神話のような顔さえ持ってる。

真木よう子(女優)コメント

エージに憧れ、タロウに希望を持ち、スギオの混沌の中で生きている。
三者は完璧な配役をされていて、劇中で彼等が「とぶ」事を望んでしまう。
私にとっては、映画史に残る名作となった。

宮台真司(社会学者)コメント

社会の外に押し出された者にだけ見えるものがある
──大森立嗣の一貫した視座だ。
今回はオリジナル脚本を引っ下げ、思わせぶりを一切排除して、
社会に殴り込みをかけてきた。気押されて終わるか、
大森立嗣が静かに見つめてきた光を感じるか、観客こそが問われている。

向井秀徳(ZAZEN BOYS)コメント

15年前、花村萬月さんから譲り受けたヤマハSR400をかっ飛ばして、
上野の特設劇場に「ゲルマニウムの夜」を観に行った。
終わって、虚無感と殺伐に支配され過ぎたオレは公園で暫くの間じっと、
ただジリジリとしていた。焦燥していた。

「タロウのバカ」を観た。
やはり未だオレは焦燥している。空虚に取り憑かれている。
そんな自分を自分で発見している。
だからオレは、今日、明日、そして明後日と対峙する。対決する。
キックスタートでエンジンを起動する。
走り出す。走り出さなければならない。

山戸結希(映画監督)コメント

無宗教の風土に待ちぼうけ、
祈りをめぐる聖書を演じてみたならば、
飛び立つことの許されぬ彼らの、
すべての跳躍がうつくしかった。

(c)2019 映画「タロウのバカ」製作委員会

映画ナタリーをフォロー