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ゆうばり映画祭2019長編グランプリは「されど青春の端くれ」、監督が入院中に構想

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ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019の様子。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019の様子。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019が3月10日に閉幕。ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門にて、森田和樹の監督作「されど青春の端くれ」がグランプリに輝いた。

3月7日から10日にかけて北海道・夕張市内で開催された同映画祭は、関連イベントもあわせて来場者数1万1699人を記録。1988年生まれの森田は映画学校ニューシネマワークショップの卒業生で、実習作品として制作した「春を殺して」が多数の映画祭で上映された。

今回初のコンペティション部門出品作となった「されど青春の端くれ」。同部門で審査委員長を務めた映画監督の白石和彌は、評価した点を「映画としてはまだ未熟な部分もあり、技術的にも高めていく必要はありますが、映画を撮りたいという衝動が一番ストレートに伝わってくる力のある作品」と説明する。グランプリは審査員4人の満場一致で決定した。なお同作はシネガーアワード(批評家賞)も受賞している。

2年ほど前に難病のため入院し、映画作りをやめようと思ったこともあったという森田。「入院中、天井ばかり見つめていて『これじゃ駄目だ』と思ったときに構想した物語です。まだ“評価される”という域には達していないのはわかっています。でも作りたいという衝動が審査員の方々に伝わったのはうれしい。これからもっと評価される作品を作っていきたいと思います」と喜びを噛み締める。次回作支援金として贈呈された50万円の使い道は「青春映画が大好きなので、次回作は青春スプラッタを考えています」と明かした。

インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門では、立命館大学映像学部を卒業した1994年生まれの中島悠作による「極東ゲバゲバ風雲録」がグランプリに。審査員を務めた沖田修一は「個性的な作品ぞろいでしたが、僕としても飛び抜けた個性で忘れられないものを選びました」と評価。沖田の口からは同じく審査員を務めた安藤桃子の「愛おしい、ギュッと抱きしめたい作品!」という言葉も紹介された。中島は実家のある宮城で酒造りのアルバイトをしながら、個人的活動「印度之会」にて新作のパイロットフィルムを製作中とのこと。

また昨年「カメラを止めるな!」が受賞したゆうばりファンタランド大賞(観客賞)には、ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門に出品された大山晃一郎の「いつくしみふかき」が選ばれた。そのほかの受賞結果は下記の通り。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019 受賞結果

ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門

グランプリ

森田和樹「されど青春の端くれ」

北海道知事賞

太田慶「桃源郷的娘」

審査員特別賞

ムン・シング「赤い原罪」

インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門

グランプリ

中島悠作「極東ゲバゲバ風雲録」

優秀芸術賞

ヨーラム・エヴァー・ハダニ「ムーン・ドロップス」
小野寺しん「5つ目の記憶」
宮城伸子「M&A」

ゆうばりファンタランド大賞(観客賞)

グランプリ

大山晃一郎「いつくしみふかき」

イベント賞

「斎藤工セレクション&アニメワークショップ」

ゆうばり市民賞

「第1回夕張自主怪獣映画まつり」

人物賞

安井謙太郎「ニート・ニート・ニート」

シネガーアワード(批評家賞)

森田和樹「されど青春の端くれ」

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