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第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で審査員賞を獲得した「ラブレス」は、新しい幸せを追い求めようとする夫婦と、その一人息子の姿を描くサスペンス。すでに別々のパートナーのいる夫婦が、過去を精算しようと離婚協議を進める中、親に愛されなかった息子アレクセイが謎の失踪を遂げてしまう。
2004年公開の「父、帰る」以来、2度目の来日となったズビャギンツェフは、月刊EXILE内で橘が連載する「REMEMBER SCREEN」に登場。映画好きで知られる橘が自らセレクトした作品を解説し、インタビュアーを務める同企画では、これまでマイク・ミルズや原恵一との対談が実現されてきた。
対談の中では「アングルの切り取り方が面白いなというのが印象的でした。定点でずっと撮っていて、しばらくするとスーッとカメラが動くじゃないですか」という橘の考察に、ズビャギンツェフが「アングルを変えずに一点から何かを撮っているシーンというのは、観る側を観照とか観察とか、思弁に誘うものだと思う。どんどんアングルを変えて継ぎ接ぎしたような映画は、ダイナミックなテンポは生みますが、そこで立ち止まって何かを考えさせることはないと思います。たとえば松尾芭蕉の俳句は、一点からものを見つめていますよね」と答える。松尾芭蕉のファンだというズビャギンツェフは「松尾芭蕉の俳句の作り方というのは、1つの変わらないシーンの中で3行の詩を作っています。どっしりとした1つの視点で対象物を見つめている。そういう人生や生活のリアリティを長い目で見ている視点、姿勢が私にはすごく近しいものに感じます」と説明した。
本作について橘は「自分なりに“メッセージってなんだろう”と考えるのが大切な気がしていて、そうやって考えること自体にメッセージがあるのでは」と意見を述べ、「今後、僕を使いたくなったらいつでも言ってください!(笑)」と俳優としての自身をアピール。そのほか対談では、撮影時のエピソードやズビャギンツェフの日本滞在について語られている。
マルヤーナ・スピヴァク、アレクセイ・ロズィンらがキャストに名を連ねた「ラブレス」は、4月7日より東京・新宿バルト9ほか全国でロードショー。
※「ラブレス」はR15+指定作品
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【原恵一ニュース】橘ケンチと「ラブレス」アンドレイ・ズビャギンツェフが対談、松尾芭蕉の視点を語る
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