映画ナタリー - 最新映画ニュースを日々配信

「リバーズ・エッジ」小沢健二が「本当に良かったです」、二階堂ふみと吉沢亮も感無量

4395

「リバーズ・エッジ」公開記念舞台挨拶の様子。

「リバーズ・エッジ」公開記念舞台挨拶の様子。

リバーズ・エッジ」の公開記念舞台挨拶が、本日2月18日に東京・TOHOシネマズ 新宿にて開催され、二階堂ふみ吉沢亮森川葵上杉柊平SUMIRE土居志央梨、監督の行定勲が登壇した。

岡崎京子のマンガを原作とする「リバーズ・エッジ」は、1990年代の都市に生きる若者たちの欲望や不安、焦燥感を描く青春群像劇。第68回ベルリン国際映画祭ではパノラマ部門オープニング作品に選出された。

主人公・ハルナ役の二階堂、山田役の吉沢、そして行定の3人は、ドイツ現地時間2月15日に行われた同映画祭のレッドカーペットに参加。自身初となる映画祭を経験し、吉沢は「もっと敷居の高いものなのかと思っていたら、お祭りのようにみんな楽しくワイワイやっている感じがよかった。これだけ映画好きの方が集まる場ってなかなかないから、面白かったです」と振り返る。レッドカーペットでファンへのサインにも応じた二階堂は「皆さん写真をプリントしてきてくれていたんですが、『どうしてこの写真を?』っていうのもあったりして(笑)。行定監督のすごく若い頃のお写真を持ってきている人がいて笑いました」と笑顔で回想した。

喜怒哀楽の激しいキャラクター・観音崎を演じた上杉。撮影中に1990年代ものの靴を履いていたところ、靴底が剥がれてしまったそうで「パッと見は履いているように見えるんですけど、底だけ抜けちゃってて。実はずっと素足で地面を踏みしめている状態でした(笑)。体を使ったシーンが多かったのでダメージが蓄積されたのかな」と笑う。摂食障害のモデル・こずえ役のSUMIREが共演陣について「思ったよりも気さくというか、話しやすかった」と言うと、二階堂は「主にすーちゃんと柊平くんがムードメーカーだった」と証言。上杉は「僕とSUMIREさんはよくいじられてましたね。体を張ってるのは僕らが多かった」と、行定は「SUMIREさんに『マジで吐きますか?』って言われた(笑)」と付け加えた。

ここで岡崎の友人であり、主題歌「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」を書き下ろした小沢健二からのサプライズメッセージを司会が代読。二階堂とともに岡崎を訪ねた思い出や、「自然に体が動く方向へ、思い切って飛んで、がんばって。本当に良かったです、『リバーズ・エッジ』」という言葉が読み上げられると、二階堂は「感無量です」としみじみ述べる。16歳の頃に原作に出会って以降、映画化を熱望していた二階堂は「クランクインするときにみんなで『自分はこう思っている』と話し合って、それぞれの気持ちをぶつけた作品です」と思い入れを明かす。「本当に……感無量です」と自分に言い聞かせるように発した吉沢は、「ふみちゃんと初めてご一緒したときに『リバーズ・エッジ』を知っているか聞かれて、僕がこの作品のことを思い始めてから3年くらい。こうして公開されていることが不思議ですね」と語った。

最後に行定が「僕も感無量です。二階堂ふみに『自分がハルナを演るにはもう時間がない』と言われ、僕らは挑戦状をもらったようなものでした。原動力になった二階堂ふみがいて、小沢さんが加わり、ベルリン映画祭が僕らの映画を呼んでくれるという奇跡的なことが、皆さんに映画が届くことで初めて帰結する」と感慨深げに話し、イベントを締めくくった。

※「リバーズ・エッジ」はR15+指定作品

小沢健二 コメント

もうずっと前の冬の夜

もうずっと前の冬の夜、岡崎京子さんの家に行くために東京の路上で二階堂ふみさんを待っていると、真っ暗な中に、ふみさんが一人で現れました。療養中の京子さんに負担をかけないために、一人でいらしたのだと思います。ふみさんとぼくは暗い坂を登って、京子さんの家に入りました。

ふみさんが「リバーズ・エッジ」の映画化にかけた情熱は、小宇宙を創れるくらいのものです。それをふみさんは静かにたたえて、京子さんに話をしていました。そこから流れ出た水がこうやって、映画となってみなさんに届きました。

ラッシュを見た時は、ふみさんの顔が京子さんそっくりに見える場面があり、驚きました。あれはなんなのだろうと、今も思っています。吉沢亮くんのあの横顔から川を鳥が飛んでいくシーンは、記憶して、再生して、何度も考えて、音にしていきました。ぼくにとってのヒントは、ふみさんの肩でした。

そうやってできた主題歌「アルペジオ」に声を入れるスタジオでは、ふみさんは言葉の感情を音楽にして、逆に亮くんはすっきりとリズムに凛々しく、録音していました。

ぼくは「アルペジオ」については、「若い人にどう聞こえるか」とか「若い人がどうのこうの」は一切考えませんでした。そういうのは、漫画を描いていた頃の京子さんや、その頃のぼくは嫌いだったし、今も嫌いです。当然。笑

世田谷の小さな空間から流れ出した水が、大きな川になって、流れています。

本当に大きなものって、実は結構個人的で、小さくて、かっこ悪くて、理屈が合わなくて、それでも自然に体が動いてできるのではないかと思います。自然に体が動く方向へ、思い切って飛んで、がんばって。

本当に良かったです、「リバーズ・エッジ」。

小沢健二

(c)2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

映画ナタリーをフォロー