本作は、2015年8月にオランダ・アムステルダムからフランス・パリへ向かう特急列車タリスで起きたテロ事件を題材とする物語。イーストウッドの過去作「アメリカン・スナイパー」の上映後に、水道橋博士はイーストウッドの顔がデザインされたTシャツに星条旗をまとって姿を現す。「15時17分、パリ行き」をいち早く鑑賞している水道橋博士は、「驚きましたね。ネタバレはできないけど、世界的にネタバレしています。なぜなら真実を描いた映画で、しかも登場人物が本人です。これは映画なのか? ドキュメンタリーなのか? 87歳の監督が最先端なことに挑戦している。しかもこれまでで最短の94分」と感想を語る。
また「これは役者に観てほしい。演技とは何か。知性的な演技を集めたものが映画だと思われているけど、実は感情的な演技を集めたものも芸術なんです。だからこの作品は事件の当事者自らが演じる。まず自分になれと言うことですよ」と事件の当事者本人を主演に起用している本作の魅力に触れた。
続いて師匠である北野武とイーストウッドの共通点を聞かれると、「実際の経験を映画に反映させること。それに人の命を奪うこととは何かをテーマにしている。正義を行使するために、殺すかどうか」と分析。ほかにも「僕が『グラン・トリノ』を観た際、師匠(北野武)に車を色っぽく見せる“車の官能性”がすごくよかったと感想を伝えたんです。そしたら師匠から『俺のほうがもっとうまく撮れる』と言われました。その後、師匠が撮った『アウトレイジ』の冒頭に流れる車のシーンを観たとき、『グラン・トリノ』の影響を受けていると思いましたね。『アウトレイジ』は日本車でしたけど(笑)」と明かした。
水道橋博士は最後に、これから「15時17分、パリ行き」を観る人たちへ向けて「長い人生の中で僕に94分だけ時間をください。悪夢かもしれないけど、観終わったあとにこれが映画でよかったと実感するはずです。そして、イーストウッド監督の『これは映画ではなく自分たちにも起こる現実だ』というメッセージが伝わるはずです」と語り、イベントを締めくくった。
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