坂本龍一がヴェネツィア映画祭に出席、5分以上のスタンディングオベーションに笑顔

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第74回ヴェネツィア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品されているドキュメンタリー「Ryuichi Sakamoto: CODA」が、イタリア現地時間9月3日にワールドプレミア上映。坂本龍一と監督のスティーブン・ノムラ・シブルが出席した。

第74回ヴェネツィア国際映画祭に出席した坂本龍一(右)、スティーブン・ノムラ・シブル(左)。(c)若山和子

第74回ヴェネツィア国際映画祭に出席した坂本龍一(右)、スティーブン・ノムラ・シブル(左)。(c)若山和子

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レッドカーペットを歩く坂本龍一(右)、スティーブン・ノムラ・シブル(左)。(c)若山和子

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坂本龍一 (c)若山和子

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上映前に行われた記者会見では、本作が東日本大震災後の坂本の活動をクローズアップしていることにちなんだ質問が相次いだ。シブルは「東京で生まれ育った自分にとっても、震災はとても大きな出来事でした。坂本さんの活動が震災以降に変化したことに興味を駆られ、映画を撮らせてほしいとアプローチをしたものの、まさかいい返事をもらえるとは思ってもみませんでした」と回想。坂本は「震災以前の1992年頃から環境問題に対して懸念は持っていて、自分にできることに取り組もうとしてきたけれど、これまで自然が発する声というものに十分に耳を傾けてこなかったのではないかと思ったんです。震災以降、すべての瞬間でその声に耳を傾けようと努力していますが、それは自分の最新アルバム(『async』)だけでなくこの映画にも投影されています」と語る。

シブルは会見の中で、2014年に坂本に中咽頭がんが見つかったため本作の制作プランを変更したことを説明。すると坂本は「以前から“生と死”には向き合ってきましたが、病気をきっかけにそれがよりリアルで身近なものになりました」と明かし、「ある意味で、監督は運がよかったと思います。病気が発覚したことによって、この映画にドラマチックな要素が加わりましたから(笑)」とジョークを飛ばした。

坂本龍一(中央右)、スティーブン・ノムラ・シブル(中央左)。(c)若山和子

坂本龍一(中央右)、スティーブン・ノムラ・シブル(中央左)。(c)若山和子[拡大]

会見後、坂本は海外プレスから「マエストロ!」の声が飛び交う中1人ひとりに丁寧にサインし、写真撮影にも対応。映画上映後に起きた5分以上のスタンディングオベーションに、笑顔で応えた。

「Ryuichi Sakamoto: CODA」は、2012年から約5年にわたって実施した密着取材の様子を中心に、坂本の音楽と思索の旅を捉えたドキュメンタリー。11月4日より東京・角川シネマ有楽町ほか全国にて公開される。

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