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山戸結希の監督作3本を特集上映、「溺れるナイフ」の生コメンタリー実施

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「溺れるナイフ」 (c)ジョージ朝倉/講談社 (c)2016「溺れるナイフ」製作委員会

「溺れるナイフ」 (c)ジョージ朝倉/講談社 (c)2016「溺れるナイフ」製作委員会

山戸結希の特集上映が、4月15日から21日にかけて東京・ポレポレ東中野で開催される。

この特集では、山戸の監督作3本がスクリーンにかけられる。小松菜奈菅田将暉が出演した「溺れるナイフ」、趣里をヒロインに迎えた音楽青春ドラマ「おとぎ話みたい」、処女作「あの娘が海辺で踊ってる」の3本がラインナップされた。

初日と2日目の「溺れるナイフ」上映時には、山戸とゲストによる生オーディオコメンタリーを実施。また、開催中にはミュージシャンのアヴちゃん(女王蜂)、コラムニストの山崎まどか、著述家の湯山玲子が来場し、それぞれ山戸とトークを行う。詳細は劇場の公式サイトにて確認を。

山戸結希凱旋上映

2017年4月15日(土)~21日(金)東京都 ポレポレ東中野
料金:1200円 ※「溺れるナイフ」は1400円
※当日券のみ
※リピーター割引あり。半券提示で各回200円引き
※特別興行のため招待券使用不可
<上映作品>
「溺れるナイフ」
おとぎ話みたい」
「あの娘が海辺で踊ってる」

山戸結希 コメント

5年前、自分の身体と映画ひとつだけがありました。生まれて初めて撮った「あの娘が海辺で踊ってる」を劇場でかけてみないかとお声掛けいただいた初夏でした。東京の東中野駅すぐ近くにあるポレポレ東中野というミニシアターに鳴る小原治さんの声でした。深い秋の公開を迎え、そしてその頃には、いつか日本中の女の子に観てもらえるような作品を撮りたいと心から願っていました。そのために生きようと、心の中でだけは、堂々と想いました。
桜が何度も散っては舞って 4月21日のディスク発売までの最後の一週間 15日から21日まで、初めて映画を劇場でかけてくださった映画館にて、「溺れるナイフ」を上映するお声掛けをもう一度いただきました。
初日の4月15日(土)は、これまでの映画を一秒も零さず見つめてくださり、ともに数えきれぬ映画の話をしてきたポレポレ東中野スタッフである小原さんとご一緒し、16日(日)は「溺れるナイフ」撮影監督であり、日本映画界のトップカメラマンである柴主高秀さんをお迎えして、二夜連続のオーディオコメンタリー上映を行います。普段ご登壇されない柴主さんのお話をお聴き出来る貴重な時間でもあります。初めてのオーディオコメンタリー付き上映であり、ご一緒する一夜が、一生でたった一度のことだと知りながら、言葉を紡ぎたいと想っています。
そして、翌週からのトークゲストは、心から尊敬する方々をお迎えしてお話させていただきます。17日(月)に女王蜂のアヴちゃんさんを迎え、鳴り止まぬ歌の中で「溺れるナイフ」のお話が出来ることが幸せです。音楽と映画を通してだけ、もう既に出会っていた季節がありました。18日(火)にご登壇くださる、山崎まどかさんの著作とそのまなざしが、これまで作品に与えてくださった影響は計り知れず、抱きしめたいくらい大切な本ばかりで、お会い出来る夜が待ちきれない程、心待ちにしています。19日(水)にいらしてくださる湯山玲子さんの芸術に対する批評眼、論考、活動は、いつでも世界を変革する力を持って、星を追う気持ちで追いかけ続けたい宇宙一の女性です! 流星の衝突みたいな熱いスピードに焦がれます。どの方とも、その夜の壇上で初めてご挨拶させていただき、二度とめぐらぬ言葉を交わしたいと思います。
また、「あの娘が海辺で踊ってる」「おとぎ話みたい」という、大学生の時に撮影した二作品も、毎日どちらかを併映いただきます。もう二度と私には撮ることが叶わない映画で、何度も何度も息を吹き返しながら 今を生きるたった一人のためだけに映画があることを教えてくれました。今でも これらの作品がいちばん好きだと言ってくださる方が居り、それを純粋に嬉しく感じます これからを生きる理由があって。命めぐる限り作り続けたいと想います。
以前小原さんが、「映画を見る前に食べた料理や、帰り道に出会った景色が、その日の体験に組み込まれると、映画を思い出そうとした時の記憶に表情が生まれます。映画館まで映画を見に行くことは、映画を中心とした小旅行のようなものです」と言っていました。「溺れるナイフ」を通して、60万人以上の方に、そんな小旅行に出かけてもらったのだと想います。
映画「溺れるナイフ」を中心とした最後の旅の中、どんな光を見つけられるでしょうか。一体誰の愛に気付くべきでしょうか? 暗闇に浮かぶ灯台のように、もう一度発光する「溺れるナイフ」の輪郭を見初めるような、今の身体で彼を見つける七日間に出来たならと願います。
今この瞬間にはそう確かに祈るけれども、海のかたちが毎日変わること、二度と戻らない水の粒、満たされることのない魂があることを、映画を撮ることを通じて知りました。
映画「溺れるナイフ」を再発見するための一週間の小旅行に、お付き合いいただけましたら幸いです。宇宙までも、海の底までも、生涯行くことはないかもしれないけれど、心だけは、どこまでも行けるとしたら。東中野の地下室から、この身体で彼方まで行けますか? 未来から注ぎ込まれるような春になりたくて咲いたのです。桜が何度も散っては舞って、あれからずっと、やさしい嵐の中にいるようでした。たった一人、あなたの身体が生きている春に、ご一緒出来ます歓びを。

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