撮影開始からおよそ2カ月が過ぎた1月某日。朽ち果てた宿場町が再現された京都の山間にて、撮影はクライマックスに差し掛かっていた。独眼の万次を演じるにあたり、特殊メイクで右目を塞ぎ撮影に臨む木村。日本を代表するスターとして芸能界で生きてきた彼が不老不死の侍を演じることに対し、三池は「自分から見ると非常に運命的な役」だと話す。また「まったく違うところで生まれ育った作家が作り上げたキャラクターだけど、リンクすることがあるんだなと。そういうものと出会っていく強さは必要ですよね」とも。さらに「(木村は)日本で唯一、スーパースターって言える人物。万次は闇の世界に生きている奴だけど、きっとジャニーズに入ってたらいい線いったんじゃないかな?」と続けると、木村から「たぶんクビになりますよ(笑)」とツッコミが入った。
殺戮シーンの撮影を終えた現場には、大量の血糊の跡が。木に染み込んで時間の経過を感じさせるものから、地面にどろりと光る生々しいものまで、あらゆる場所が赤く染められている。劇中における血の描写について、三池は「忌まわしいものって捉えられがちだけど、生きている証とも言える。皆さん数日前までは生きてましたので、(血糊も)そのエネルギーの分だけあります」とコメント。暴力の描写については「美しいものではないし否定すべきものなんでしょうが、瞬間的に光るものがある。逃れられない人間の本質というか。時代劇って斬り合っていい世界なんで、平気で出せるんですよね。ルールに則って仲良く平和で生きていくために生まれてくるストレス。それを発散できるっていうのが自分にとっての時代劇の面白さ」と分析する。
第67回ヴェネツィア国際映画祭出品作「十三人の刺客」、第64回カンヌ国際映画祭出品作「一命」などで世界に名を知らしめてきた三池。エグゼクティブプロデューサーの小岩井宏悦によれば、本作においても海外マーケットを視野に入れているとのことだが、三池は「景気付けにそう言うわけですよ(笑)」と謙遜。「我々が真剣に作れば世界中がびっくりするものができるんじゃないかと信じていたいっていうのもある。でも世界でこういうのがウケるってリサーチして作っていくと、それは1つの商品になってしまう。だからいったん全部忘れて、自分たちのやりたいことをやりたいように。そうやって作ったものが評価されるという順番じゃないと、僕らとしても非常に困るんですよね」と打ち明け、「無我夢中にやっていれば日本人にしか作れない日本の物語ができて、観たことのない価値のあるものになるんではないかと信じているだけです。あとはもう精一杯役者が演じて、日本のスタッフが撮れば、世界の人々が喜んでくれるでしょう」と意気込みをのぞかせた。
「無限の住人」は、2017年4月29日より全国ロードショー。
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