宮藤官九郎、「TOO YOUNG TO DIE!」続編があったら「死んだ人も出演できる」

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第29回東京国際映画祭のJapan Now部門出品作「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」が、本日10月26日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて上映され、監督の宮藤官九郎が登壇した。

第29回東京国際映画祭に登壇した「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」の監督・宮藤官九郎(左)と、Japan Now部門のプログラミングアドバイザー・安藤紘平(右)。

第29回東京国際映画祭に登壇した「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」の監督・宮藤官九郎(左)と、Japan Now部門のプログラミングアドバイザー・安藤紘平(右)。

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「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」

「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」[拡大]

6月に公開された「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」は、修学旅行中にバス事故で命を落とした男子高生・大助が、地獄で出会った赤鬼・キラーKの指導のもと人間へ転生を目指すエンタテインメント作。劇中バンド・地獄図(ヘルズ)を率いるキラーKを長瀬智也が、後に新メンバーとして加入する大助を神木隆之介が演じた。

宮藤官九郎

宮藤官九郎[拡大]

本作を「地獄を舞台にした青春ロックミュージカルコメディ」と表現する宮藤は「映画を撮るとき、どうしても『映画らしくしなきゃ』って思って舞台っぽくしないよう構えちゃうところがあった」と打ち明ける。しかし「その舞台っぽさを隠さないで、自分のスキルとしてうまく使えないか?」と考えて舞台らしい演出を取り入れたと続け、「地獄っていう設定だからできたことだと思う」と述懐。

美術は“地獄パート”と“現世パート”が別々に分かれており、地獄に関しては宮藤いわく「CGで描くこともできたけど、グラフィックを専門にやっている方々にかなわないと思った」という理由からセットを用いたアナログな撮影に。それに伴い、初めて全シーンの絵コンテを描いてイメージをスタッフと共有したという宮藤。「(CGを使わなかった)おかげで役者陣の芝居を変えることなくできた」と振り返り、キャスト陣については「長瀬くんが自由に演技して、(COZY役の)桐谷(健太)くんが合わせて、みんながそれに付いていく。毎日同じ場所に行くから、それも舞台みたいで不思議な連帯感があった」と語った。

観客の質問に答える宮藤官九郎。

観客の質問に答える宮藤官九郎。[拡大]

客席から質問を受けるコーナーでは、本作の鑑賞回数が6回を超える観客が次々と現れて宮藤を圧倒する。「『2』をやる予定は?」という質問に、宮藤は「やるなら早く言ってくれないと。地獄のセット、記念撮影して全部捨てましたからね」と明かすも、「普通の映画って『1』で死んだ人は『2』に出れないでしょ。でもこの映画は全員出られる。そういう意味ではいい映画ですよね、同じメンバーでできるし」と期待を高める回答。またギリシャのテレビ局から「嫌いなキャラクターは?」と聞かれると、悩みに悩んで「(皆川猿時演じる)じゅんこ……?」と答えるが、観客の同意は得られなかった。

さらに劇中を彩る楽曲の中でお気に入りを尋ねられた宮藤は、大助が「スーサイド」を歌うシーンに触れ、「(監督作の)『中学生円山』とか『少年メリケンサック』でも出てくるけど、映画の中でバカにされる音楽を作るのがすごい得意」と笑う。そして最後に、本作における大助の“成長しなさ”についての質問が。宮藤は「映画で観ているのは2時間しかないのに、人ってそんなに成長しないもんだろうと。成長するっていう部分にあんまり面白みを感じないのかもしれない。今回も大助は成長してないけど、周りの人たちが変わっていく。そういうほうが自分には合ってると思う」と、自身の生み出す作品のスタイルに言及した。

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