津川雅彦「孤独な役は苦手」、行定勲監督作で女優を泣かせたエピソード明かす

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本日10月26日、「アジア三面鏡2016:リフレクションズ」の会見が東京・六本木ヒルズ アカデミーヒルズにて行われ、行定勲津川雅彦加藤雅也ら8名が出席した。

「アジア三面鏡2016:リフレクションズ」会見の様子。

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本作は、東京国際映画祭と国際交流基金アジアセンターが、“アジアで共に生きる”をテーマに制作したオムニバス映画。3人の監督が、日本とカンボジア、フィリピン、マレーシアを舞台に国々の間を行き交う者たちの姿を描き出す。会見には行定、津川、加藤のほか、ブリランテ・メンドーサソト・クォーリーカー、ルー・ヴェローソ、シャリファ・アマニ、チュムヴァン・ソダチヴィーが登壇した。

左からブリランテ・メンドーサ、ルー・ヴェローソ。

左からブリランテ・メンドーサ、ルー・ヴェローソ。[拡大]

「SHINIUMA Dead Horse」を手がけたメンドーサは「フィリピン以外での撮影は初めて。私の作品はマニラの隠れた人たちを題材にしていたので、北海道で撮影したことは大きなチャレンジでした」とコメント。同作で主演を務めたヴェローソは「北海道はすごく寒かった! 雪を見たのは初めてで、とても過酷な撮影でしたが楽しめました。監督は撮影中にストーリーを説明してくれなくて『あっちに走れ!』とだけ言うんですよ」とにこやかに述べた。

左から行定勲、津川雅彦。

左から行定勲、津川雅彦。[拡大]

「鳩 Pigeon」をマレーシアで撮影した行定は「日本人は本番の緊張感ある空気を大切にしますが、マレーシアのスタッフはまず集合写真を撮って、団結してからみんなで困難を切り抜けていく」と日本とマレーシアの撮影スタンスの違いに触れる。津川は「今回の役は孤独で寂しい老人。僕自身は大変根が明るくて孤独な役は苦手なんですが、とんがった僕をがんばって出そうと思ってマレーシアに乗り込みました」と役作りの裏側を明かした。また津川は、撮影中はあえて友好的に振る舞わずにいたと前置きしたあと、「それがとんだハプニングを起こしてしまいまして、アマニを泣かせちゃいました(笑)。でも『僕は優しい男なんだ』と撮影中に言うのははばかられまして……。終わってからは精一杯明るくして誤解を解きましたね」と続けて笑いを誘う。そんな津川との撮影についてアマニは「津川さんがセットにお見えになると全体の空気がピンと張り詰めるんです。初めてお会いしたときはセリフを全部忘れちゃうくらい緊張しました」としみじみと振り返った。

加藤雅也

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左からソト・クォーリーカー、加藤雅也、チュムヴァン・ソダチヴィー。

左からソト・クォーリーカー、加藤雅也、チュムヴァン・ソダチヴィー。[拡大]

そして「Beyond The Bridge」でメガホンを撮ったソトは「日本へロケハンに行って魅力的な場所をたくさん見つけましたが、予算の計算をしたところ、カンボジアでしか撮影できなかったんです。でも桜だけはどうしても撮りたくて、セカンドユニットのスタッフに撮影してきてもらいました」と本作への強い思いを語る。加藤は「このキャラクターを演じるにあたって、カンボジアの成り立ちを学んで理解を深めました。これからも海外の作品に参加して、その国の文化を勉強して、その国の人たちともっと近付いていけたら」と、ソダチヴィーは「私はダンサーで、映画に出演するのは初めてなんです。今回の出演は貴重な体験でした」とそれぞれ挨拶した。MCに「加藤さんに泣かされませんでしたか?」と尋ねられたソダチヴィーが「いいえ、加藤さんはいつも笑わせてくれました!」とにこやかに答える場面も。

「アジア三面鏡2016:リフレクションズ」会見の様子。

「アジア三面鏡2016:リフレクションズ」会見の様子。[拡大]

さらに「今後の映画界はどうなってほしいか?」という質問に、行定勲が「これまでの作品で、何度か日本以外の国で撮影してきました。基本的には思い通りにならないけど、逆に自分の知らなかった新しい道を切り開いてくれるという面もあるんです。日本の映画は“越境”することはそれほどありませんが、新しい才能を日本映画にも取り入れるべきだと思っています」と回答して会見を締めくくった。

「アジア三面鏡2016:リフレクションズ」は、本日10月26日に第29回東京国際映画祭にてワールドプレミア上映が行われる。

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