「
前田の監督第2作にあたるこの映画で描かれるのは、毎日を無為に過ごす女子高生・果子と、18年前に死んだはずが突然戻ってきた伯母・未来子が織りなすひと夏の物語。果子を二階堂が演じ、彼女に自分が本当の母親であると告げる未来子に小泉今日子が扮している。
会見の場に登場した二階堂は、外国人記者に向けて「緊張していますが、ここにまた戻って来られてうれしいです。この作品、どうでしたか? 私自身、この映画をどう紹介したらいいのかよくわからないのですが、今日はよろしくお願いします」と英語で挨拶した。
本作で伝えたかったことを尋ねられた前田は、「ストーリーにたいしたことがあるとは思っていません。それよりも、夏の暑い感じとか、夏休みの気だるさやワクワクする気持ちとか、ちょっと死を感じる瞬間の雰囲気を表現したかったんです」と答える。「時間の流れは川のようになっていて、現在の自分は過去や未来の自分とは会えないと思っていたんです。でも、数珠のようにつながっている過去、現在、未来の自分が同時に存在することもできるんじゃないか、映画ならそれが表現できるんじゃないかと思ってシナリオを書き始めました」と続け、果子、未来子、そして果子のいとこの小学生カナという3人のキャラクターに込めた意味を明かした。
二階堂は、本作への出演を決めた理由を聞かれ「小泉今日子さんと親子という関係性でいつか作品をご一緒したいと思っていたんです。もう1つは、すごく脚本が面白くて。経験したことがある、見覚えがあるような自分の過去と向き合える作品になるんじゃないか、面白い作品ができるんじゃないかという気がしました」と回答した。
会見の終盤には、劇団・五反田団の主宰である前田へ「演劇での経験は、映画を演出するうえで影響を及ぼしているか?」という質問が。前田は「影響はあまりないと思う。特に舞台俳優と映像の俳優は全然違うんです。舞台の俳優は稽古で100%の力を出して、本番は80%くらいの力でやる。でも映像の俳優は稽古を8割くらいでやって、カメラが回ると100%以上のものを出してくる。隠し持っていたカードを現場で初めて切るんです」と述べ、「映画では瞬発力を、舞台では持久力を要求するので、だいぶ違うと思います」とまとめた。
「ふきげんな過去」は、6月25日より東京・テアトル新宿ほか全国でロードショー。
関連記事
二階堂ふみの映画作品
関連商品
リンク
- 「ふきげんな過去」公式サイト
- 「ふきげんな過去」予告編
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
tAk @mifu75
「ふきげんな過去」二階堂ふみ、出演の決め手は“小泉今日子との親子役” - 映画ナタリー https://t.co/rBTDGDxMN4