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カンヌグランプリ作「サウルの息子」、監督ネメシュが映画祭やホロコーストに言及

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「サウルの息子」 (c)2015 Laokoon Filmgroup

「サウルの息子」 (c)2015 Laokoon Filmgroup

第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にてグランプリを受賞した「サウルの息子」。このたび、監督のネメシュ・ラースローが同作について語るインタビュー動画がYouTubeにて公開された。

ネメシュの長編デビュー作にあたる本作は、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で同胞のユダヤ人の死体処理を行う特殊部隊ゾンダーコマンドの一員・サウルを軸にしたヒューマンドラマ。自身の息子と思しき少年の死体を、ユダヤ教の教義に則って手厚く葬ろうとするサウルの姿を描く。

「ニーチェの馬」で知られるタル・ベーラの助監督を務めていたネメシュは、動画の中で「受賞そのものは非現実的だったし、実はまだ自分でも理解できておらず、消化しきれていない部分がある」と自作のカンヌ国際映画祭における評価についてコメント。ホロコーストをモチーフにしたことに関しては「もともと興味は持っていたのですが、どういう視点で撮ったらいいのかわからなかった。ゾンダーコマンドの証言を集めた本との出会いが、映画作りのヒントになりました」と真剣な表情で振り返る。

インタビューの中で「いろんな国から集めた役者たちやスタッフの皆さんとカンヌ映画祭で再会できてうれしかったし、懐かしい思いでいっぱいでした」と述べ、笑顔ものぞかせているネメシュ。動画の最後には「ある状況下において人間性も失われ、神も失われ、宗教も希望もないような極限状態に追い込まれた人間が、それでも人間的な感情を失わずにいられるのかどうか」とテーマを語り、「実際の親子なのか埋葬しようとする行為に意味があるのかも含め、そこは観る人に判断してもらいたいです。また観る人によって捉え方が違ってくると思います」と言葉を紡いでいる。

「サウルの息子」は、東京・新宿シネマカリテほかで全国順次公開。

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