タル・ベーラを支えた助監督、ホロコーストを描く長編処女作でカンヌデビュー

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現地時間5月15日、ハンガリー出身監督ネメシュ・ラースローの「Son of Saul(英題)」がカンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映された。

「Son of Saul(英題)」場面写真

「Son of Saul(英題)」場面写真

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「Son of Saul」は、ネメスの長編初監督作品でコンペティション部門に選ばれた話題作だ。映画祭全部門の初監督作品に贈られるカメラドールの対象作品にもなっている。

ネメシュ・ラースロー (c)BEA KALLÓS

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ナチスのホロコースト時代、アウシュビッツの強制収容所で収容者たちを管理する職務に就いているユダヤ人の物語。監督のネメシュは38歳、祖先のホロコーストでの実体験をもとにしており、「子供の頃からこの話に取り憑かれていた。だが、ドキュメンタリーを作るわけではないので、フィクション性を出すために主人公の視点を終始狭めて物語を進めるようにした。主人公には見えていないガス室での出来事などを描いていないのは、この映画を悲劇で終わらせたくなかったから」と制作の裏側を語る。

ニューヨーク大学で映画を学んだ後、「ニーチェの馬」などで知られるハンガリーの映画監督タル・ベーラの助監督を務めていたネメシュ。題材の難しさと、監督としての知名度の低さゆえに「Son of Saul」の資金繰りは難航を極め、最終的に手を差し伸べたのはハンガリーの国による映画基金だった。

初のコンペ選出に加えて批評家からの評判も良く、アメリカでは「海街diary」と同じソニー・ピクチャーズ・クラシックスが配給することが発表されている。

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