中国ドラマ女優放談 Vol. 2(後編) [バックナンバー]
中国ドラマを彩る女優たち|女性が魅力的に描かれていた2025年の作品&中国ドラマにまつわる私的3大ニュースをトーク
女性が輝いていた中国ドラマ──「掌心」「五福の娘たち」
2026年1月25日 12:15 2
女性が輝いているドラマといえば「掌心~宮廷に響く復讐の鈴音~」(島田)
──お二人には、個人賞のほかに「女性が魅力的に描かれている」というテーマで作品賞も選んでいただきました。2025年も多くの作品に出会ったと思いますが、迷いましたか?
島田 これは、迷いませんでしたね。2025年、女性が活躍する、輝いているドラマといえば、私の中では「掌心~宮廷に響く復讐の鈴音~」でした。女性復讐チームの活躍、シスターフッド要素、ショーン・ドウ(竇驍)演じる元少城(げんしょうじょう)の危険な駆け引き、そして恋愛に溺れないヒロイン像というのが革新的なアイデアで面白かった。とにかく
──前回の中国ドラマ女優放談でも、リウ・シーシーのお話をしましたが、「掌心」で島田さんの彼女に対する熱が上がった印象受けました。
島田 そうですね。「掌心」のリウ・シーシーは本当によかった。新しい才能を推したいという気持ちもあって、主演女優賞にはジュアン・ダーフェイ(荘達菲)を選びましたが、リウ・シーシーを挙げることも考えたんです。それぐらい「掌心」は面白かった。
──どんな部分に魅力を感じたのでしょうか?
島田 葉平安はセクシーでクールで、でも人間味があって。リアリティのあるヒロインをリウ・シーシーが上手に演じてくれました。清純派とかそういうんじゃなくて、等身大の大人の女性で、視聴者が共感できるようなヒロイン像。物語もスリリングで女性チームと男性チームがだましだまされ……どうなっちゃうんだろう?ってドキドキハラハラしながら最後まで駆け抜けました。
小酒 「掌心」は新しいドラマだなと思いました。ヒロインが率いるチームは女性ばかりで。
島田 そうそう。例えば「花の告発~煙雨に仇討つ九義人~」もチームを組んで復讐しようとする物語でしたけど、あの作品は男女混合チームでしたよね。今回は女性しかいない。
小酒 男性たちも強敵で策略家だけど、女性チームがその裏をかいていく。こういうストーリーは中国時代劇で初めて観たなと思いました。
島田 賤民出身の男性チームには、腐敗した貴族たちに復讐し、虐げられた人たちを救いたいという目的がある。お互いの真意を知って男女両チームが協力するけれど、でもそれぞれの思惑があって、肝心なときに出し抜いたりと、とにかく最後まで気が抜けない。そして倒してもまたすぐ、その上の悪者が出てきたりして、先の読めない展開で面白かったです。
小酒 「掌心」で、またリウ・シーシーの日本での人気が上がるのではないかなって思います。
島田 監督は「一念関山」を観てリウ・シーシーをキャスティングしたらしいんです。だから、あの作品で見せてくれたカッコいい雰囲気も引き継ぎつつ、「掌心」では、強さと脆さを合わせ持つヒロイン像を演じて、新たな魅力を存分に発揮してくれました。偏見や暴力、不平等さに苦しむ女性たちの姿や、社会的な差別の問題が描かれていたり、考えさせられるテーマが多くて、見応えのある作品だと思います。
中国時代劇を観たことがない人にお薦めしたい「五福の娘たち」(小酒)
──小酒さんが選んだ作品は「五福の娘たち」です。
小酒 島田さんが選んだ「掌心」とのバランスを考えても「五福の娘たち」を挙げるのはちょうどいいかなと思っているんです。というのも、今の中国の視聴者に求められているのは「掌心」のように、自立した女性が、前に進んでいく物語だと思うんです。でも「五福の娘たち」は5人の娘の結婚がゴールのストーリー。だから、中国では「そんなのけしからん!」といった視聴者の批判もあったそうなんです。現地の視聴者は、時代劇を現代の女性の生き方に引き寄せて、観ているんだなと思いました。とはいえ、「五福の娘たち」はNetflixで海外同時配信される作品だったので、世界を意識して、現代の価値観も盛り込まれて作られている。個人的には、ジェイン・オースティンの「高慢と偏見」の中国版のような印象を受けたんです。
──なるほど。
小酒 確かに、結婚がゴールというフォーマットにはなっているんですが、結婚しなければいけないということを伝えているわけではないんです。それぞれ個性の異なる姉妹を生き生きと描きながら、女性たちの自立と成長を映し出していく。
中国ドラマ「五福の娘たち」予告(台湾版)
島田 婿同士でムコ殿同盟ができあがって、結束が強くなっていくのも面白かったです。女性目線、男性目線、母親目線と、いろんな角度から楽しめるドラマ。次はこの子、次はこの子とオムニバスっぽく姉妹たちの恋愛が映し出されていくから飽きないんですよね。笑いあり、涙あり、姉妹のいろんな悲喜交々を楽しめて、ホリデーシーズンに家族みんなで楽しめるような作品だと思いました。
小酒 中国時代劇を観たことがない人に入門編としてお薦めしたい1本でもあります。5人の娘がそれぞれどんなふうに恋愛していくのかが順に描かれていて、例えばルー・ユーシアオとワン・シンユエのパートは駆け引きしながら恋に落ちていくツンデレカップルのラブコメで、ホアンヤン・ディエンティエンとウィンウィン(NCT / WayV)のパートは、嫁いびりなんかものともせずにヒロインが大暴れして、爆笑シーン連続のラブコメ。そのほか、未亡人と歳下夫による“先婚後愛”(結婚したあとで愛が生まれる)、“記憶喪失もの”の謎解きロマンスなど、いろんなタイプを1本の作品で楽しめる。娘たちだけじゃなくて、お母さんもいいキャラで、親子関係、姉妹関係も面白い。「掌心」は他人が姉妹のようになっていくお話だとすると、こちらはリアルな姉妹がどのように暮らしているかを描いています。お薦めの1本です。
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